【第3章】対話の感動

〜あなたのお子さんは,正しく話していますか?〜

 《3.1》 どうして子どもは話さなくなるのですか?

 夕方の忙しいときに,子どもが「お母さん」と擦り寄って来ます。気が立っていますからつい「何か用?さっさと言いなさい」と突き放します。子どもは「用がなければ話しかけたらいけないのだろうか」と身を引きます。親子の間でも話せば分かるというわけではなく,それなりの気配りが必要です。特に親は説教,指示,命令,小言の一方的な話に終始し,最後は決まって「分かったね」とだめを押します。子どもにすれば「親の方こそ分かろうとしていない」と思うでしょう。
 子どもは親が聞いてくれる分だけ話します。特別な用がなくても「お母さん」と言ってみて,親そのものを求めているときもあります。子どもが話さないのではなくて,親が話させないようにしていることがしばしばです。

答 「親は一つの口だけを開き,二つの耳を閉じています」