【第6章】失敗の発芽

〜あなたのお子さんは,失敗を楽しんでますか?〜

 《6.5》 どのように育とうとしているのでしょうか?

 養育の目的は「健全な育ち」ですが,健全という概念が曖昧になっています。失敗や間違いをマイナスと認定し,マイナスのない育ちが健全であると錯覚しています。育ちには失敗や間違いが必要不可欠です。健全さとは失敗が小さいうちに気づき,立ち直る力を獲得することです。同様に小さな悪事を反省しすぐに復元できることが健全な自制です。
 失敗に対して「あなただめね」と追い打ちをかけると,子どもをだめにします。「次できればいいんだ。もう一度やってごらん」,「もうちょっとだったのに。もういっぺんやってごらん」と,失敗を咎めず,気にしないでいいと言ってやることが励ましです。
 子どもはほめて育てるようにアドバイスされます。子どもが幼いうちはよくほめて貰えますが,成長とともに叱られるばかりになります。親はわが子の長所を短所よりもたくさん挙げることができなくなります。学校に通うようになると,親は100点から子どもを減点評価するようになります。間違えると叱り,できて当たり前ですからほめません。0点から見れば加点評価できて,できなくて当たり前,できたらほめてやれます。

答 「育ちのエンジンがほめるスパークでタイミング良く点火されて,育ち続けます」