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【第3章 家庭教育と地域とのつながり】
子育てについて地域がどのような影響を及ぼしているかについて,また家庭教育の実状と親の地域意識について,調査結果を見ておきます。
1.家庭教育の実態(1)
○子どもには,いわゆる恐い人がいるものですが,
父は厳しいという通説は5割です。家庭内のことですから,居住年数には関係していないようです。ところが母親については子どもへの支配力に居住年数による変化が現れています。1年未満では張り切っていた母親が,次第に元気をなくし,3年で最低に落ち込み,5年を過ぎて回復しています。その落ち込みを埋めているのが「先生」です。母親が先生に頼っている姿が浮き彫りになっています。ここでも5年の壁が現れました。
○子育てにはいろいろな悩みがつきものですが,
親にとっての関心の一つは,子どもの勉強です。その悩みが親の地域とのつながりの深さによる変化を再現しています。居住1年では近隣とのつながりができないままで,どうしても子どもと向き合うことになり,子どもの性格にとらわれています。居住3年では地域とのつながりができていないので,親としての力が沈んでいて,子どもの反抗が悩むほど応えてしまい,一方で気力の無さが悩むほどにのめり込まない逃げを生み出しているようです。
○その悩みには,程度があるはずですが,
悩みの程度はそれほど深刻ではないようです。「どちらかと言えば」の居住年数による変化は,増加傾向です。推察できることは,地域へのつながりができあがっていくにつれて,子どもを観る目の変化が起こっているということです。親同士の情報交換,子どもたちを見る機会の増加,学習機会の増加などによって評価する目が肥えて(?)いくのでしょう。
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