*****《中学生とその親の関係の推移》*****

【中 学 生】

6.母親のイメージ?

母親イメージのグラフです 1.尊敬でき頼りになる人
2.理解のある人
3.親しみの持てる人
4.教え指導してくれる人
5.自分勝手で無責任な人
6.口うるさい人
7.生活費を稼ぐ人
8.放任で甘い人
9.その他

 母親のイメージについては,順位に変動が見られます。すなわち初回は「理解」,「尊敬」,「うるさい」の順でしたが,前回は「理解」,「尊敬」,「指導」になり,今回は「指導」,「尊敬」,「理解」に逆転しています。母親が理解してくれる存在から,指導者の立場へと変化しているのです。自分のことを理解してくれる唯一の存在であった母親があれこれと指導する人に変貌していることは,子どもにとって望ましい傾向なのか,今後の推移に注意する必要があるでしょう。
 男女別で見ると,母親像は男子で上位が「指導」,「理解」,「尊敬」の順ですが,女子では「尊敬」,「指導」,「親しみ」と「理解」といった順になっていて,違いが見られます。
 学年が進むと両親のイメージは「尊敬」が大きく減り,母親像では「理解」が増えていきます。
 また,父親の場合と同じで,将来人生について話している中学生は親を尊敬していますが,そうでない中学生は口うるさく生活費を稼ぐというイメージが強くなっています。また手伝いをしている中学生も同じ傾向を示しています。
 将来人生の話をしたり子どもをほめていて殴りたいとは思わない親を尊敬し,よその子や兄弟と比較をしない母親を理解があると思っているようです。違反した服装髪型を厳しく注意する親を指導してくれると受け取るかあるいは口うるさいと思い,注意を連れ合いに任せたり将来人生の話をしない親を生活費を稼ぐ人としか見ていないのは,父親の場合と同じです。

 平成5年度は,尊敬や親しみが少なく,口うるさいとか勝手,稼ぐ人というイメージが強く現れています。指導が増加していることとも重なって,母親との温かいつながりが失われた時代と言えます。子離れではなく放任の色が濃くなっています。今の状況を重ねると,このときに小さなトラウマを背負ったかもしれないと考えることもできます。