*****《団体・グループの運営の窓》*****

【考察上の6ポイント】


 指導的な立場に立たされると,嫌でも物事を考えなければならなくなります。ただ考えるだけならいつもしていることですが,指導者は説得的に結論を整えなければなりません。例えば社会が悪いといった段階に止まるような結論では,組織活動には役に立たないからです。自分たちが活動できる深さにまで考え込んだ結論が必要です。一歩踏み込んだ考察のためには,それなりのポイントがあります。

 [1]動詞で考えよ。
   名詞で考えていないか?
      五日制,情報化,自発性,自立,健全?などの名詞は,
      目で理解する言葉である。
      例えば,「集合」とかけ声するより,
      「集まれ」の方が行動命令として相応しい。
   生きる行動は動詞形である。
      自発性=やらせて,我慢=待とう,思いやり=どうぞ,
      と言い換えると具体化できる。
      「活動」というから分からない。
      身をもってすべきことと考えれば一歩進む。
      名詞で考える癖がついているが,それは頭の中に閉じこもり,
      手足には伝わってこない。
      動詞が生きていくのに必要な言葉であることを忘れない。
      ※家庭や地域は生きる場である以上,動詞で考えるようにした方がいい。

 [2]常に複数の条件を考えよ。
   人はパンのみでは生きられない?
      物事が実現するには,
      必要条件のほかに十分条件が成り立たなければならない。
      例えば,売春少女の「相手も自分も喜び。誰にも迷惑をかけてない!」に
      反論できるか?
   知っていても悪いことをするのはなぜか?
      万引きは,悪と知っているから「人目を盗む」。
      罰があるから「見つからねば」とか,
      「お巡りさんに捕まらねば」と人目をかいくぐる。
      普通は,後ろめたさが嫌だから「しない」し,
      お天道様が拝めないと自制できている。
      知っていることは制止に必要だが,
      気持ち悪いという自覚があって十分な制止になる。
      ※実現・納得させるためには,タテマエはスキだらけなので,
       ホンネの部分で仕上げを!

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