*****《団体・グループの運営の窓》*****

【指導者の忘れもの】

 [1]出席率の呪縛から解放されよ!

 「出席すべき人が出席しない?」
 団体の世話をしていると,出席率が気になります。あれこれよかれと思って企画しても,出席が思わしくないとがっかりします。せっかく準備したのに,帰りの遅い連れ合いにすっぽかされて気落ちするようなものです。夫婦ならふくれっ面でお返しできますが,人様にはそうはいきません。顔で笑って心で泣いてという始末になります。
 講演会などのように外部の人が関わるときには,聞き手が少ないのは申し訳ないという気遣いも出てきます。さらに自分たちの活動が低調だと思われはしないかと気がかりです。
 聴かせたい人が顔を見せないという声をよく聞きます。顔を見せる人は聴かなくてもいいようです。また,集まりでのあいさつに,「出席が悪いようですが・・」と前置きされることもあります。そんな言葉を聞かされる出席者は,どうしたらいいのでしょうか? 自分たちのことはそっちのけで,欠席した人を心待ちにしていたと言われては,立つ瀬がなくて座っていなければなりません。
 出てこない人に本当に聴かせたいのであれば,こちらから出向くことを考えるべきです。集めようとして集まらないのなら,こちらが出かけることです。それをしないで,集まらないのは先方が悪いとだけ考えるのは,身勝手です。
 社会教育団体の集まりは,正直なところそれほど魅力のあるものではありません。お金がないのですから当然です。また,良いことや正しいことでは人は集められません。楽しく得をしなければ無理です。しかし,それでは活動の主旨を外れてしまいます。

 「出席した人が満足したか?」
 社会教育団体等の活動は,一にも二にも出席者を大切にすることです。出席者が満足し,また次も出席しようと思わせることに重点を置くべきです。お店がはやるのはリピーターをつかむかどうかです。リピーターは口コミで周りの人を連れてきてくれます。なぜなら,自分で満足できるからこそ,人を誘うことができます。はっきり言って,出てこない人には何もできないのです。
 会員制度の組織では,出席率3割を目安にしてください。100人なら30人の出席で十分です。なぜなら,3割の人が動き出せば,全体は動いていくからです。全体を動かそうとするから,出席率の呪縛に囚われます。3割の人を味方に付けることこそが,組織指導の要諦です。

 出席率は,3割を3割1分に上げようとする際の目安にすぎません。4割は異常です。ましてそれ以上を望むのは無謀というものです。事態が異常事態になったら,みんなが血相を変えて集まってきます。平和が何よりです。