*****《団体・グループの運営の窓》*****

【指導者の忘れもの】

 [5]曖昧な指示をするな!

 「具体的にイメージしようとしているか?」
 指導者は大まかな指示を与え,幹部に任せるようにしようと言ってきました。このことは何も考えなくていいということではありません。関係することに具体的なイメージを持つように努めなければなりません。あらかじめ持っていない場合でも,会議などで話を進めるときに具体性を確かめるようにリードすることが大切です。言葉は人によってイメージが異なります。それを解きほぐしていくことが指導の要です。曖昧なままにしておくから不都合が起こります。
 例えば「受付を置く」と言っても,机をいくつ並べるか,名簿の準備をするか,記入の筆記具は鉛筆かボールペンか,来賓の誘導をするか,接待は誰が,いくらでも確認することは出てきます。日時,時間,場所はもちろんですが,どんな機材をどこから,誰が,いつ調達するか,必要な購入品は何か,いくつか,種類は・・・,細かな一品まで気配りすることによってのみ具体性が生まれます。

 「チェックリストが書けているか?」
 作業や物品のチェックリストを作ることを勧めます。この手順を踏めば,自然に具体的な運営が図られます。頭の中だけで処理すると必ず抜けが出ます。このことは事業の予算申請にも役に立ちます。何がいくつ,価格は,入手先は,といった具体的データがなければ申請は実現しようにも不可能です。
 作業についても手順の流れをグラフ化するようにすれば,つなぎがスムースに運びます。図や表を手軽に利用できれば,指導の効率は格段に進むはずです。

 組織活動を活かすのは情報の正確さです。血液型の違う血が流れると致命的であるのと同じで,一つの組織内でいろんな思惑の情報が流れると,組織は硬直化します。情報を具体的に一つ一つ確認する作業は組織を活かす基本なのです。それをきちんとしないと,運営に関わる人のそれぞれの思惑がもつれてしまいます。