*****《団体・グループの運営の窓》*****

【指導者の忘れもの】

 [4]指導者の一存で決めるな!

 「幹部・担当者に決めさせているか?」
 決定権を持っている指導者(会長など)は,ついつい物事を一存で決めてしまう羽目に陥ります。それに慣れると会議に諮ることが面倒になります。やがて会議は決定事項をアナウンスするだけの場に成ります。このような運営は指導者のワンマン化を招き,指導者を押しつぶし,組織を無気力にします。有能な指導者が時に敬遠されるのは,人にするチャンスを与えずに無能さのみを思い知らせるからです。
 会議で諮ったことや,役割を任せていたのに,指導者が先走りをしてどこかで勝手に決めてしまって,人の仕事を取り上げていることがあります。任された方はそのつもりで動いていたのに,状況が知らない内に変わってしまってはついていけなくなります。指導者はあれこれ考えてよかれと思ってしていることなのでしょうが,組織プレーではないことが別の問題を引き起こすのです。

 「少しの回り道をしているか?」
 まず指導者は先を考えていなければなりません。会議に諮る暇がないという事態に到るのは,状況判断をしていない指導者の怠慢が大部分です。事業日程が陽のスケジュールとすれば,いつ頃何を決めておかなければならないという「陰のスケジュール管理」が大切です。定期的な会議に諮ることができるように議案を早めに造り出すのです。まだ先のことと寝かせることが手遅れの元です。一つの事業について事前に3回の会議を開きます。1回目はどんな準備をすればいいかを考えてもらい,2回目は素案を審議し分担を決め,3回目に確認をします。順を追えば,皆に考えてもらう機会が与えられ,自分たちの事業という意識を持たせることができます。この自分たちが考えているという気持ちの芽生えが,事業を魅力的にする運営のコツです。

 この項は前項の続編になります。組織活動において最も注意すべきことは,「聞いていない」ということ,自分たちの知らないところで物事が勝手に決められている事態を招かないことです。担当者たちの気持ちを一つにするには,「知っている」ということ,「意見を言えた」ということ,「自分のアイデアが生かされている」ということを実感させなければなりません。たとえ指導者が誘導したことであれ,言われてしているという気持ちにならないように気配りをすべきです。皆で決めたということです。