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【ボランティア活動に入る前の心得12章】
《序の章》
最近,ボランティアグループの活動が広がってきました。地球規模から身近な生活空間に関わる環境問題への取り組みです。人が生きていく環境には自然環境だけではなく人的な環境もあるという認識が再確認されてきました。
人と関わることが人には安心をもたらします。自分を生かしたいという欲求も重なって,周りの人との関わりを持とうとするのはごく自然な成り行きでしょう。その機会として,ボランティア活動に進もうとされる方がたくさんおられます。
ただ,ボランティア活動は常に相手との人間的な関わりであることを忘れてはなりません。つまり,人付き合いの作法,ルール,エチケットを十分に弁えておかなければ成り立たない活動なのです。そこで,他人と関わる前に,ぜひとも心に留めておいていただきたいことがありますので,ここでご紹介しておきます。素敵なボランティア活動ができるように,心より,応援しております。
ボランティア活動はそれなりの専門的な素養が必要になります。単なるご近所づきあいの延長ではありません。相手の方が安心して任せられるような責任を持たなければならないからです。いろいろな研修を受けてからはじめる方がよいでしょう。何らかのボランティア組織に加入すると自然に学習することができると思います。ここでお伝えしていることは,その一つの研修と受け止めていただければ幸いです。因みに,このテキストはボランティア団体の研修会においてお話した講演を基にして書き上げたものです。
この講は,ボランティア,あるいはボランティア活動に関して既にお持ちのイメージを再確認していただくために,概要を提供しようとするものです。心構えを中心に述べていきますが,どのようなボランティア活動にもベースになることですので,地ならしのつもりで受け止めてください。
まず,言葉の意味を確かめておきましょう。ボランティア(Volunteer)とは,「意志」,「善意」の意味をもつラテン語の 「VOLUNTAS」 が語源だと言われ,自分
自身の自由な意志によって援助のためにすすんで行動する人です。なお,仏語のボロンテは,意志が強いという意味です。
ボランティア活動は,端から見ている人からは,「物好きであり,よくやるよ」と言われるかもしれません。物事の価値や楽しさは,やってみないと分からないものであり,多くの人がやっているからにはそれなりに何かがあるはずです。しかしながら,それが何かは自分で見つけるものです。是非踏み込んでみてください。
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