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【ボランティア 障がいの意味 弁えて】
《ボランティア・ノウハウ:第11条》
障がい者という言葉について,学びをしました。その一端をお裾分けしておきます。参照文献は,「知っていますか? 高齢化社会と人権一問一答」(株)解放出版社です。
高齢社会になりましたが,実際の所,障がい者社会という様相が付随すると考えておくべきだそうです。確かにそう思われます。そのことを踏まえて,障がいという事柄を再確認しておく必要があります。
障がい者問題は通常,障がいをもっている個人の問題であり,また障がいを軽減する医療や福祉の問題と捉えられています。しかしながら,そのような考え方に従えば,障がい者問題が社会的課題にならず,一隅に追いやられることになります。従来の施設型の対応で事足れりという状況が示すとおりです。
福祉の概念が社会の基礎理念になろうとし始めていることから,障がいという言葉も変更を迫られています。障がいをもった個人と環境との関係の問題と考えなければなりません。例えば,駅の階段は,障がい者や高齢者にとっては障害物になりますが,エレベーターを設置すれば障害は消滅します。つまり,構造上の障害や,放置・はみだしといった不用意な障害といった社会的な障害物が障害者を生み出しているのです。
したがって,地域福祉が目指している住み良いまちづくりでは,
(1) 社会的な障害物を除去すること
(2) 受け入れる手立てを組み入れること
を目指すことになります。第2項では,ユニバーサルデザインという考え方が進められていますが,点字ブロックの設置,障害者用トイレの整備,交通標識を分かりやすく表示することなどの取り組みです。住み良いというのは,日常の暮らしで不自由を感じることなく社会参加ができることなのです。
障がい者については,人間的な欲求を満たすのに特別の困難を持つ「普通の市民」と認識すべきなのです。その特別の困難は社会の仕組みが変わることで軽減できると共通に理解することが大切になります。そのための活動を進めていくことがボランティアに求められています。
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