***** 《ボランティアの窓》 *****

【ボランティア 参加型から 広がる輪】

《ボランティア・ノウハウ:第10条》

 この条では,月刊「社会教育」8月号(2005)に掲載されている"かんさい通信員だより"「社会福祉法人大阪ボランティア協会総会記念講演会」より抜粋してお届けします。ボランティアが大阪発の文化であるという自負により,自信にあふれたメッセージを提供してくれています。

 ※「ボランティア活動は恋に似ている」:早瀬昇事務局長
  1.ともに,自発的な無償の行為である。
  2.ともに,対象を選ぶことができる。
  3.ともに,好きであることが選択の重要な基準となる。
  4.ともに,"機能"以上に"存在"に意味がある関わりである。
  5.ともに,出会いは偶然によるところが多い。
  6.ともに,しんどいこともあるが自分自身も元気になる。
  7.ともに,自分だけが満足するだけではうまくいかない。
  8.ともに,続ける"だけ"になると陳腐化する。
  9.ともに,心移りすることもある。修羅場になることもある。
  10.ともに,止める時,分かれる時がつらく難しい。

 ※信念型から参加型へ
 阪神大震災に際して参集した復興・救援の急造ボランティアが,ボランティア革命を成し遂げたといわれています。何かしたいという動機だけで集まったボランティアが,現地団体が提供する活動メニューから各自のニーズによって選択し,一定期間だけ活動をするという,「参加型」ボランティアになったのです。これに対して,理念に共鳴して参加し一体化して活動するボランティアを「信念型」と呼んでいます。ボランティア活動の広がりにつれて,参加型のボランティアが増えているそうです。

 また,上記誌上にある"今月の書評"というページでボランティアにふれた部分があるので,抜き書きしておきましょう,

 「行政がNPOとの協働を唱える中で,ボランティアは行政側に同調するものと,行政に反発し対立するものへとに分かれる傾向があるという。この背景には,公は自分のことと信じる公益派,公共を担う役割の一部をボランティアにアウトソーシング(下請け)したい行政側の気持ちを執拗に嗅ぎ取ろうとする主体性主張派,行政への憧れに浸る体制羨望型,それに対するやっかみ派などが繰り広げる複雑な葛藤があるようである。ともかく,ボランティアと行政を二極対立させて対岸の火事を楽しむ徒輩がいるとすれば,悲しいことである」。

 ボランティア活動が社会的な活力に成長してくるにつれて,その意味や意義についてあれこれ論じられるようになります。関係する人が増えると意味の拡散が起こるというのは社会現象の必然ですが,こうでなければならないと決めつけることはしない方がいいでしょう。ボランティア活動を窮屈なものにしかねないからです。いろんな考え方がある方が自由です。
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