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●「丙午(ひのえうま)」等と年を呼ぶのは,どういうことなのでしょうか?
昔,中国に「五行説」の考え方があって,この世界は「木・火・土・金・水」の五つの要素から成り立っていると考えられました。「木が燃えて火が生まれ,火が灰になり土が生まれ,土から金が生まれ,金の表面から水が生まれ,水から木が生まれる」という循環です。
ところで,この五行には兄弟がいて,「えと」と呼ばれました。陽である兄が「え」,陰である弟が「と」です。そこで,木の兄弟は「きのえ(兄),きのと(弟)」,火の兄弟は「ひのえ,ひのと」・・と呼ばれます。これが陰陽五行説です。
さらに五組の兄弟に,「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」という十干が対応させられました。十干とは10日を意味する「旬」です。月の上旬といったりするあの旬です。すなわち,
木の兄(きのえ) =甲, 木の弟(きのと) =乙,
火の兄(ひのえ) =丙, 火の弟(ひのと) =丁,
土の兄(つちのえ)=戊, 土の弟(つちのと)=己,
金の兄(かのえ) =庚, 金の弟(かのと) =辛,
水の兄(みずのえ)=壬, 水の弟(みずのと)=癸,
となります。
この十干に「子(ね)丑(うし)寅(とら)卯(う)辰(たつ)巳(み)午(うま)未(ひつじ)申(さる)酉(とり)戌(いぬ)亥(い)」の十二支を組み合わせます。
最初は「甲子(きのえ・ね)」, 次は 「乙丑(きのと・うし)」,
3番目が「丙寅(ひのえ・とら)」,4番目が 「丁卯(ひのと・う)」・・ と続きますが,
11番目からは「甲戌(きのえ・いぬ)」,12番目は「乙亥(きのと・い)」,「丙子(ひのえ・ね)」・・・
といった具合に,二つずつずれていきます。このずれは61年目に「甲子(きのえ・ね)」と元に戻ります。同じように,どの組も61年目には同じ組に戻ります。この元に戻ることを還暦と言います。
この年の数え方は,西暦604年から続いています。大正13年(1924年)の「甲子(きのえ・ね)」の年に完成した球場が「甲子園」です。(参考リンク●西暦と干支の対応表)
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