***** 暮らしの雑学 *****


●「贈り物にのしをつける理由は?」

 ママと一緒にお中元特設コーナーに行ったときです。カウンターでお家から持ってきたメモ紙を見ながら,ママは何枚も小さな用紙に住所を書き込んでいました。お隣のおばちゃんも同じことをしているのですが,書きながら何かブツブツ言っています。

 「こちらはお持ち帰りですね?」,「はい」,「のしはどうしましょう?」,「お中元でお願いします」,「かしこまりました」。お店のお姉さんとママが話しています。のしって何?

 昔,心を込めて醸造したお酒を神様にお供えしていました。御神酒ですので,魚がつき物です。そこで古来から鮮魚の代表であったアワビを供えました。後になって,お酒の代わりにのしあわびになりました。アワビを薄くそいでのばし,干したのしアワビを添えた贈り物は,心を込めて醸造したお酒を贈るという意味を持っています。

 のしアワビを色紙で包んだ形が,よく見る贈答マークの形なのです。今では印刷物になってしまいましたが,昔からのしきたりが形だけ残って続いているのです。

 ママが持って帰る品物は確か海産物のようだったけど,のしをつけたりしてダブらないのかな?