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4日目、7月8日、本日も快晴。気温32度。
午前中はトリノを散策して、午後からエミリア・ロマーニャ州のパルマへ移動します。

まずは、サンカルロ広場にある老舗「カフェ・トリノ」へ。
重厚な店構えに、ちょっと気後れする自分に
「だいじょうぶ、私は充分大人の女よ」と意気込んで入る。
出勤前の人がほとんどのようで、テーブルで飲まずに
みなカウンターでささっと飲んで帰っていくみたいだ。
私たちもそれでいこう。
カフェを注文したところ、「Ragazza
、ミルクは入れる?」
Ragazzaだってよ。英語ならgirlにあたるのよね。
日本語に直せば、お嬢ちゃんってとこ?
私、いい歳した大人の女なんですけれど?
「ミルクはいらないの」って答えると、
「ホントにミルクをいれないのかい?」と心配そう。
子供はミルクを入れて飲めということなんでしょうか。
って、鞄を斜め掛けしてたって、わたくし子供じゃありませんことよ。

老舗だけど、かしこまってなくてフレンドリーな雰囲気でした。
そうそう、日本人の女性店員さんもいましたね。

 

トリノの象徴、モーレ・アントネッリアーナ、通称トリノ・タワー。
ユダヤ教の礼拝堂として1862年に建てられたということ。
この写真だとあまり高さが感じにれないかもしれませんが、
高さ約167mもあるんですよ。
展望台の他、現在内部は映画博物館になっています。
建物に入ると吹き抜けで、中央にドンッとエレベーターがあって、
そのエレベーターはガラス張り。
映画のグッズとか写真とかを見ながら昇っていくが、ちと怖い。
商業的と言うのかな、なんかお金の匂い漂う空間です。
さてさてエレベーターで上まで昇りきると(もちろん有料)
オレンジ色の屋根が連なる美しいトリノの街並みや、
遠くにはアルプス山脈も望めます。
これは、気持ちがいい。
アルプス山脈を見ながら、あそこに行ってきたんだな〜私。と
心はまたアルプスへ飛びそうでした。

 

 

トリノ駅から電車でレッジョ・エミーリア駅まで行き、
ホテルに荷物を置いてから、駅ひとつ戻ってパルマへ。
パルマ人が誇る3つのこと。
チーズのパルミジャーノ・レッジャーノ。
音楽家のジュゼッペ・ヴェルディ。、
そして、車のフェラーリ。

今日のパルマも、とっても暑いです。

まずはお目当てのパルマの高級食材店へ。
Salumeria Garibaldi (サルメリア ガリバルディ )
高級食材店だからなのか、ぜんぜん声をかけてもらえず。
どうやって買えばいいのかも、他のお客さんを見て知る。

こちらではショーケースの後ろにいるお兄さんに
買いたい物を渡します。すると袋詰めしてくれて
請求書のようなものをくれます。今度は入り口近くの
キャッシャーで(同じお兄さんが移動してくる)
お金を支払うシステムです。

何を買ったらいいか判からんので、なんとなく目についた
真空パックされたサラミやバルサミコ酢の15年ものを買う。
美味しいといいんだけどな。

サルメリア ガリバルディからすぐ近くに
Formaggiと書かれたチーズ屋さん「Verdi」発見。
さっきの店がちょっと居心地が悪かったから、
店の雰囲気を外から ジッ〜っと見てうかがっていたら、
陽気な店員さんが中から「おいでよ」と手招きしてる。
おっ、ここはフレンドリーじゃん♪
ここなら、いろいろ聞けそうだ。入ってみよう♪

面白そうなチーズあったら、買ってホテルで食べたいな!

店内をぐるっと見渡すと、正面にはチーズ用冷蔵庫、
左右には生ハムとサラミ、奥にはパルミジャーノ・レッジャーノが
何個も棚に並んでいます。
とうとう私はパルマに来たんだわ〜とワクワクする。
おっと、気になるチーズを発見。
「BURRATINE PUGLIESI」と書かれた丸いチーズだ。
私が愛読している本間るみ子氏の著書の
「チーズで巡るイタリアの旅」の中に出てくる
「ブッラータ(Burrata)」ではあるまいか? 
こんなところで出逢えるとは!
ブッラータはイタリア南部プーリア州で作られている、
モッツァレッラのようなパスタフィラータタイプのチーズで、
中には生クリームが入っていて、地元で自生している
アスフォデーロの葉に包んであるものです。
これはアスフォデーロの葉に包んではいないけど。
ひとつ買って帰って、後でホテルで食べましょ。
その他にも自分用土産にチーズを真空パックしてもらう。

 

ドォーモ広場に建つ建造物。写真上左が、ドゥオモ。11〜12世紀のイタリア・ロマネスク様式。
写真上右はドゥオモの隣にある洗礼堂で、建築家兼彫刻家のべネデット・アンテーラミによって建てられたもので、
ロマネスクとゴシック様式をミックスした様式。
ピンクの大理石で作られていて、八角形をしているという珍しいもので、イタリア建築の中でも、とても重要なもののひとつらしい。
可憐なバラを想像するようなピンク色とベージュの二色のパステル調で、なんて美しいんでしょうか。

ピロッタ広場で地元の人に混じって休憩。その後、パルマ川まで散策してクタクタになる。
ものすごく暑くて、日差しも強いから体力を消耗するんですよね。
さてと、もう18時も過ぎたことだし、明日も早いから本日の宿を取っているレッジョ・エミーリアに戻りましょうかね。

この駅は、レッジョ・エミーリア駅。
またまたマニアックな名前が出てきましたね。
でもおそらくチーズマニアなら誰しも、
「へぇ〜、ここがあのレッジョ・エミーリア駅ね」と思うでしょう。
と言うのも、バルミジャーノ・レッジャーノの「パルミジャーノ」は
指定産地である「パルマ県」からとったもので、
後半の「レッジャーノ」は同じく指定産地の
「レッジョ・エミーリア県」からとったものなんですよ。

バルミジャーノ・レッジャーノのことを
パルマの人は「バルミジャーノ」と呼び、
レッジョ・エミーリアの人は「レッジャーノ」と呼ぶんです。
当然、ふたつの県の仲はよろしくない・・・らしいです。

 

ホテルのフロントで、近くて美味しいトラットリアを尋ねると
店の従業員がこれから食べに行くから、ついて行くと良いよ、と。
つれていってもらったのは、地元の人たちの食堂といった感じ。名前は失念。
メニューはなく、フロアーに前菜用の棚があって、
そこから各々が好きな前菜を皿に入れてテーブルまで持ってくる。
そして店員さんが言った中から、パスタ、メイン料理の中から選ぶスタイルです。
ワインも勝手1本がついてきました。
地元の人は、入ってくるなり前菜コーナーに行き山盛り持ってきます。

入ってくる客が男同士の二人組みとか、ひとり客ばかりで、
かなりのお客さんが入ってきても、女性客は私達だけ。
もしかして、ここ、発展場なんじゃ・・・?と、しばらくドキドキしてましたが、
赤ちゃん連れの爺婆含む2世帯の家族が入ってきて、発展場ではないと判明。
店に赤ちゃんが入ってきて、こんなにホッとしたことはありません。

さて、食事ですが、前菜は、マリネ、ポテト、アンティチョーク、
野菜のグリル系などがたくさん並んでました。
私はマリネと野菜を少しだけ取って来ました。
パスタはラビオリをチョイス。私はほうれん草、姐さんはカボチャ。
でも気を利かせて、2種類ずつシェアした形で持ってきてくれました。優しい。
パルミジャーノ・レッジャーノがたっぷりとかかっています。
メインはいろんな肉を盛り合わせで。レモンと塩だけで。素朴だけど美味しい♪
食後にカフェを頼んで、お腹は満腹。

ホテルに戻り、食後にパルマで買ったブッラータを食べました。
どろりと生クリームが出てきて、なんとも甘くて美味しい。
明日はお待ちかね、パルミジャーノ・レッジャーノの工場見学です!


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