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4日目の朝、昨日スーパーで買ったチーズを食べてみます。
Queijo Fresco(ケイジョ・フレシュコ)
牛乳製のフレッシュチーズです。
凝乳酵素を加えて固まったカードから水分を抜いたもの。
ふわふわっ、するするっとした口どけですが、
わずかにゼラチンのような凝固剤も感じました。
牛乳の香りと甘さがやさしくて美味。
2つ入ったパックで、驚きの1.08ユーロ(156円くらい)
安いなー、いいなー、ポルトガル。
現地でこそ楽しめる味だなー。

この後、ホテルでちゃんと朝食もいただきました。

あいにくの雨が降る中、ポルトから116kmのところにあるコインブラへ。
1143年ポルトガル建国時はこのコインブラが首都でした。
リスボンに遷都されてからはコインブラ大学を中心とする
学生の街として知られています。リスボン、ポルトに次ぐ、第三の都市。

13世紀に創設されたポルトガル最古のコインブラ大学。

学生達に「カブラ(山羊)」と呼ばれている時を告げる
時計塔の鐘が鳴っています。
鐘の音色がヤギの鳴き声に似ているからということですが
私の耳にはヤギとは思えない普通の鐘でした。

左の奥に立っている学生は黒いマントを着ている。
ポルトのポートワインのサンデマンでも黒いマントがシンボルだったが
コインブラ大学生もマントが有名です。
恋人ができると裾を噛んで裂いてもらうという伝統があるので
裾がボロボロな人ほど、モテるということらしい。

アズレージョの回廊。
学生がベンチに座って語り合ってます。

コインブラ大学は王宮だった建物を旧校舎として
現在も使用しています。
世界遺産にも登録されている大学なんです。

ジョアニア図書館
金泥装飾を施した本棚や、天井画が美しく、
30万冊以上の蔵書があり、コインブラ大学のみどころ。
なのに私たち入り口まで来て、中には入らないと言う・・・。
なぜ?なぜ?

入場料が7ユーロほどかかり、入場時間も指定されるそうで
時間がキッチキチのツアーでは対応できないようだ。
これじゃ、ジョアニア図書館に来たとは言えないよねー。

今月はじめの「世界ふれあい街歩き」の番組でて
いいタイミングでコインブラを歩いていて
図書館の中の映像を見たから、この目で見て見たかったのに。
ちくしょー。

コインブラ大学を出て、コインブラの町を散策です。
ポルトと同様に坂道の多い町です。

旧市街の「壷を持つ女性の像」

ベランダのこれは?
ジーンズの中に土を入れた植木鉢なんですって。
こんな鉢植え、コインブラでしか見たことない。
面白いこと考えますね。

あっ、この建物にも、ジーンズ鉢植え。
流行り?

街の中心、ポンタジェン広場。
25分ほどの自由行動。
陶器店やお菓子屋さんをまわってみよう。
ここコインブラは、コインブラ焼きと呼ばれる
彩色の鮮やかな手書きの焼き物が有名です。
でも私はシンプルな別のポルトガルの長方形の大皿を
色違いで白と青を購入。(予想外に重かった)

あっ、コンフェイト(Confeito)!
発音も姿もこんぺいとう(金平糖)にそっくり。
金平糖の元祖は、ポルトガルからやってきたのです。
日本のそれは、透明で形が美しいとげとげになっていますが、
こちらは素朴というか、黄色にピンクが付いてたりと雑なつくりです。
色が違うだけで、味も全部一緒らしい。
ポルトガルでもここコインブラと離島でしか作られなくなったそうです。
おみやげに5つ買ってみた。(予想外に重かった)

あっ、テントゥーガル(tentugal)発見!
見つけた私えらかった!
薄く薄く延ばしたパイ生地を幾重にも重ねた中に
オヴォシュクリーム(卵黄あん)が入っています。
コインブラの銘菓No.1だって、「ふれあい街歩き」でやってて
食べたいと思ってたのだよー。
当然、ひとつ買ってみた。
パリパリのパイ生地と、卵黄の味が濃厚なあんが美味しい。

コインブラ、出発!


学生の街コインブラを後にし、次に向かったのはファティマ。

まずはランチで腹ごしらえです。
ホテルのレストランですが、こちらは元修道院で
シスター達が運営されているので、
修道院で頂いている雰囲気です。
ステンドグラスやアズレージョが素敵です。
 

やさしい野菜のスープ(ソーパ レ レグーメス)
じゃがいも、人参などを煮込んだポタージュスープ。
素朴でおなかに優しい感じでホッとする味です。
ツアーの皆さんは、口をそろえて「味がない」とおっしゃり
残している人が多くいらしたけれど、
私はこれはこれで美味しく頂きました。

 

パリパリで美味しいミートパイと
このホテルの絵のエチケットの赤ワイン。

シスターがサラダ、フライドポテト、牛肉の煮込みを
サービスしてくださいました。
歯ごたえしっかりの牛肉も、ポルトガルだと思うと
「素朴な味わい」と思えて許せてしまいます。

デザートは甘くて甘い、そして甘い。(笑)


すっかり雨があがり、いいお天気になりました。
ファティマは、1917年に聖母マリアが
出現したとされるカトリックの聖地。

この村に住む羊飼いのルシア、いとこのフランシスコ、
ヤシンタという3人の子供たちの前に、
光に包まれた聖母マリアが現れて
3つの預言を託したと言います。

 


バジリカまでの道を信者は膝にパットを当てて
跪きながらは、進んでいく信者も多いそうで、
私が訪れた時にも、何人かいらっしゃいました。

予言その他、私はクリスチャンではないのでよく理解できていません。
詳しくはウィキってください。

聖母マリアが出現した5月13日と、10月13日には
世界各地から信心深いキリスト教の巡礼者が集まるそうです。

新しい施設は、モダンなつくり。

これ、な〜んだ。

答え、コルクの木(コルクガシ)。

 

コルクの木(コルクガシ)の樹皮は
剥がされてコルク製品となります。
剥がされた外皮は、9〜10年かけて再生され
また剥がされて・・・と繰り返されます。
ポルトガルはコルクの主な生産地で、
最近ではワインのコルク栓だけでなく、帽子やバック、傘など
コルクを使った製品がたくさん作られています。

ファティマから65km移動し、漁師町のナザレに到着。
ポルトガルが誇る美しい海辺の村。

海岸が見下ろせる丘の上のシティオ地区。

この村ナザレも、けっこう前の「世界ふれあい街歩き」で紹介されて
素敵な村だなぁ・・・歩いてみたいなぁ・・・と思っていた街。
導かれるようにここに来た気がした。

丘の上にある「ノッサ・セニョーラ・ダ・ナザレ教会」
バロック様式の美しい聖堂です。

ナザレの年配女性の伝統的な装いは、ショールに
ハイソックスに、ひざ丈の短めのスカートを
最大7枚重ねたカラフルで可愛らしいもの。

7つの海を渡る漁師の夫の安全を祈り、
7枚のスカートを重ねることで、荒波を鎮め
海が安全になるように・・・という意味があるのだとか。

未亡人は全身黒ずくめにするのが伝統的。

「ポッソ ティラール ウナ フォート?」
写真を撮ってもいいですか?とポルトガル語で言ってみる。
皆さん、「いいわよ、いいわよ、はい、どーぞ♪」と
スカートの裾を持ち上げて、ポーズを取ってくれます。
ポルトガルの人は、ほんとに穏やかで優しくて素敵。

あ〜、「世界ふれあい街歩き」に出てたナッツ売りのおばさん!
テレビでも口ずさんでいた歌と同じのを歌ってる〜。
うれしくてナッツたくさん買った。
一緒に写真も撮ってもらって、なんか嬉し。

椅子に座ってるのは、おばさんのお母さんで、
未亡人なのかな?


本日の宿、ナザレの中心地区にあるホテル。
ホテル到着と共に、自由行動。
荷物を置いて一休みしたら、海岸線を散歩しよう。

ホテルの部屋のベランダから海が見える。
風が冷たいけど、さっ、行こう!
散歩だ、散歩。

 


海岸線は砂浜が広く、波打ち際までかなりあります。
少し、砂浜を歩きましたが、靴に砂が入るので
やっぱり歩道を歩くことにします。

 

しばらく行くと、ここは沼津か?熱海か?というような
魚の匂いがしてきました。
干物ですよ、おばあさんが干物を作ってます。
お片づけをされているところに出くわしたので
ちょっと見せていただく。
こちらの干物は、頭は開いていないのです。

私に手を振りながら走ってくる人がいた。
リスボン
からずっと私たちを連れてきてくれている
笑顔が素敵なバスの運転手さんだ。
ランニングスーツ姿で颯爽と走っていた。
わ〜い、がんばって〜♪(日本語)と声をかける。

初日の朝、ポルトガル語で私が挨拶した時から
「ポルトガル語が話せるの?」から始まって、
お話しするようになったのだ。(英語で)
バスを降りたり、乗ったりするたびに、通せんぼしたり(?)
手を貸してくれたり、よくしてくれる運転手さん。
ポルトガルの人は人懐っこい。

砂浜でカモメも休憩中。
海岸線から少し民家のほうに入ってみましょう。

もう夕方なのに、洗濯物が干したままで揺れている。
ポルトガルの人は洗濯が大好きでよく干すが
マメに取り込んだりせず、雨が降ってもそのままのことが多いそうだ。
お婆さんの大きなおパンツも、バッサバサと風に吹かれています。

夕方の街は、とても静か。
人どおりも疎らですが、決してさみしく怖い感じではなく
昔懐かしい感じがしてくる。

「部屋、貸します」の張り紙もいくつか見た。
夏は大人気の街も、シーズンオフはそうでもないのかな。
ここも貸し部屋かな?と窓からお部屋を覗いたら、
窓のすぐ傍におばさんが立っていて目が合ってしまった。
あっ、と驚いて「ごめんなさい」と頭を下げると
にっこり笑って手をふってくれた。

なんていい人なんだ。
またポルトガル人が好きになった瞬間。


午後7時半、
ツアーで仲良くなった5名で、食事に行く。
外国人観光客相手の海岸線の店を避けて
ちょっと中に入ったところの店に入ってみた。

ビールを頼み、前菜にはちょいとグロテスクな亀の手。
フジツボなどに近い石灰質の殻をもつ岩礁海岸の固着動物。
亀の手に似ているからこの名がついたとか。
スペインのレストランでもメニューに乗ってたのを見たが
結構、お値段が張り高級品。
手の元のようなとこから、チューチューと吸う。

 

サルディーニャシュ・アサーダシュ(鰯の塩焼き)
ぷっくりしてる鰯だ。

ポルトガル
人は日本人と同様に鰯の塩焼きを食べる。
根っこの方で近いものを感じるのは、そのせいなのか?

日本にいる時と同様に、皮も少し食べてみたが、
日本の鰯より皮が硬いので皮は剥いで食べた。
どうやらポルトガル人もそうするのが一般的らしい。

2匹の鰯の塩焼きをナイフとフォークで初めて食べた。
「きれいに食べるわね〜」と褒められた。

カタプラーナ(海鮮蒸し煮鍋)

海老やアサリ、白身魚の出汁が出ている汁が
めちゃくちゃ美味しい。
その汁を吸ったジャガイモも、さらに美味しい。
ポルトガル料理、最高!

 


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