1月6日 丙子 陰、雪時々飛ぶ。
午の刻大地震。
1月11日 辛巳 晴
御所の心経会なり。去る八日式日たりと雖も、将軍家の御歓楽に依って延び今日に及
ぶ。その後尼御台所鶴岡宮に御参り。御車を用いらる。
1月16日 丙戌
午の刻、問註所入道が名越の家焼亡す。而るに彼の家の後面の山際に於いて文庫を構
え、将軍家の御文籍・雑務の文書並びに散位倫兼の日記已下累代の文書等を納め置く
の処、悉く以て灰燼と為る。善信これを聞き、愁歎の余り落涙数行し、心神憫然たり。
仍って人これを訪うと。