1211年 (承元5年、3月9日建暦元年 辛未)
 
 

1月1日 乙酉
  相州椀飯を進せらる。武州御劔を持参す。遠江大夫将監親廣御調度の役人たり。結城
  左衛門の尉朝光御行騰を持参すと。
 

1月2日 丙戌
  前の大膳大夫廣元朝臣椀飯を沙汰し進す。御劔は親廣と。
 

1月3日 丁亥
  椀飯、小山左衛門の尉朝政これを沙汰す。結城左衛門の尉朝光御劔を持参す。今日御
  前の盃酒に及び延年等有り。相州御布衣を賜せらる。その外武州等同じく御引出物に
  及ぶと。
 

1月9日 癸巳
  御弓始めの儀有り。
  射手
  一番 和田の平太     市河の五郎
  二番 海野の小太郎    愛甲の三郎
  三番 工藤の小次郎    藤澤の四郎
 

1月10日 甲午 晴
  政所・問注所の吉書始めなり。行光・善信各々参りこれを行う。今日、橘三蔵人を問
  注所の衆に加えらる。
 

1月15日 己亥 霽
  将軍家御行始め。相州の御亭に入御す。前の大膳大夫已下扈従済々焉たり。朝光御劔
  を役す。
 

1月16日 庚子 晴
  京都の使者参る。去る五日将軍家正三位に叙せしめ給うと。
 

1月27日 辛亥 霽
  寅の刻大地震。今朝日の光陰無し。その色赤黄なり。
 

1月28日 壬子 小雨降る
  京都の使者参る。去る十八日将軍家美作権の守を兼ねしめ給うと。