12月1日 乙卯 陰
辰の刻日蝕見えず。法橋隆宣御祈りを勤む。
12月5日 己未 晴
京都の使者到着す。去る月二十五日俄に御譲位の由これを申す。これ後朱雀院の例と。
12月15日 己巳 陰
戌亥の両時月蝕正見す。御祈り摩尼房なり。
12月21日 乙亥 暁以後雪降り、積もること尺余
今日伊賀の次郎宗光の奉りとして、中民部大夫仲業問註所寄人を相兼ねるべきの由仰
せ含めらると。これ掃部の頭親能入道が家人なり。右筆の芸に依ってこれを召し仕わ
る。
12月28日 癸卯 [玉蘂]
この日天皇(順徳)太政官庁に即位す。天顔快晴。西風時々扇く。下官去る夜より内
に候す。