8月15日 庚申 霽
鶴岡の放生会、将軍家御出例の如し。還御の後、明月を望み庚申を守り、当座の和歌
御会有り。
8月16日 辛酉 晴
御出昨日に同じ。尼御台所並びに御台所、御見物の為馬場の桟敷に出でしめ給う。
8月25日 庚午 雨降る
山城廷尉京都より帰参す。院御悩の事、七月十日より連日御瘧病なり。有智の高僧面
々修験を励ますと雖も、御減の儀無し。而るに同二十五日前の陰陽博士道昌、赤山に
於いて泰山府君祭を修す。翌日御平癒。仍って道昌勅勘を聴さると。これ去る二月廣
瀬殿に於いて、白虹出見するの由、道昌奏聞するの処、傍輩等これに同ぜざるに依っ
てか。白虹に非ざるの旨言上せしむに依って、所職を止めらると。