1221年 (承久3年 辛巳)
 
 

1月10日 乙未 晴
  終日風烈し。晩頭に及び俄に雷鳴、雨降る。
 

1月11日 丙申 薄雪降る
  去る冬遂に降らず。初雪と謂うべきか。
 

1月22日 丁未
  去る十日の雷鳴の変に依って祈祷等を始行す。天地災変祭は泰貞、三万六千神祭は晴
  吉、属星祭は親職、泰山府君祭は宣賢、天冑地府祭は重宗なり。また鶴岡宮に於いて、
  供僧等をして大般若経を転読せしむ。
 

1月25日 庚戌
  丑の刻町大路の東失火す。大夫屬入道善信の宅災す。重書並びに問註記以下焼失すと。
 

1月27日 壬子 晴
  今朝、法華堂に於いて故右大臣第三年の追善を修す。二品の沙汰なり。導師は荘厳房
  律師行勇、百僧供。布施は口別に上絹一疋・被物一重・准布十端。導師分は上絹百疋
  ・被物二十重(色々)・砂金五十両・鞍馬三疋。加布施は太刀一腰(先ず公家、後細
  太刀を帯す)。伊豫中将實雅これを取る。右京兆・相州已下人々群参す。次いで施行
  有り。乞食千人、人別十疋。また犯科者三十許輩これを厚免す。秋田城の介景盛入道
  ・隠岐の守行村入道等今日の奉行なり。
 

1月29日 甲寅
  午の刻地震。