2018/04
天空の国ネパール

私にとってネパールは、天空の国・ 世界一のエベレストのある国、西方浄土の様なイメージを抱かされる国のはずだったのですが
勉強不足、選んだ時期も悪かったし、歴史あるヒンドー教の国でもあったのです。  是非お出かけは11〜1月までの空気の澄んだ
季節になさってください。  ホテルに居ながらヒマラヤ山脈を楽しむ事が出来ると思います。  勿論文明の利器、飛行機で山容を
目にすることは容易に出来るのです。   物価の安さは感覚的に日本の半分以下で、バックパッカーにはたまらない天国でしょう。
   
   

着陸前の飛行機から見たネパールの印象です。  くねくねと続く山道と段々畑、桃源郷の様なイメージでしたが、街中は無秩序
の典型、信号が一つもないことを自慢していましたから推して知るべし、突っ込んだ方が勝ちの世界。レンタカーは無理ですね !
   

このような道路続きます。 舗装のかけらと轍の後を拾いながら進みます。 水たまりは怖くてお見せ出来ません。ごみを片づける
習慣がないのか、川や谷に捨てるルールなのか知れませんがビニールの様な化学繊維が使われる前には自然に朽ちてバランス
が取れていたのでしょう、しかし今ではペットボトルとビニールの切れ端には、流石のネパールも勝てなかったようで、国土中が
ごみ箱と化しています。   日本の登山家がエベレストの掃除をしている記事を読んだことがありますが、さもありなんです。 
   

4月のネパールは乾季の終わりに近く、見事な雲海がナガルコットの崖地に建てられたホテルの眼下に見えます。 五時の日の出
に合わせて起き出しましたが、ヒマラヤ山脈の勇姿には会えづ、宿泊中は空振りに終わりました。 残念! ネパールの世界遺産は
ヒマラヤ山脈の自然遺産2か所とカトマンズ盆地周辺の宗教施設と仏陀誕生の地の四か所です。 
 

カトマンズ空港にはエベレストを一目見ようと五時ごろから大勢の観光客が集まってきます。   写真のようなプロペラ機が待機し
「見えた!」の情報が入り次第一斉に飛び立ちます。 なんせ自然相手、しかもエベレストが見えないと飛行運賃が全額払い戻し
となるのですから、これはもう掛けの様なもの、見えるまで数時間待たされるのは日常の事だそうです。    この日は幸いに
6時半には一番機で飛び立つ事が出来たので、ラッキーだったと言われました。    早朝の飛行は安定して快適なものでした。
 
https://youtu.be/u8cvkV0H298 へのリンク
ここをクリックすると動画がご覧いただけます
動画終了後、左上の←で画面に戻ります

ナガルコットからチャングナラヤンへのトレッキング(散歩道だそうです)は若い人には楽勝だと(約3〜4時間)聞いて居りましたが
ホテルからチャングナラヤンのバス停まで歩くだけで音を上げる様では(30分と言われたのに1時間かかった)、とても無理と思い
取り敢えず、 散歩道のスタート地点だけは確認して来ました。  バス停とは名ばかり舗装も切れて、道端のゴミも見事なものです
100mも歩くと何故かお巡りさんの休憩所の様な建物があり、その前を通って稜線を歩き続けるとチャングナラヤンに到達できます
   
遠望の利く冬の間もこの辺の気候はそれほど厳しいものではないそうです。  もし、遠景にヒマラヤ山脈が見えたなら頑張って
もみようと思いますが、ゴミと埃で遠望の無いハイキングはご遠慮願って、白タクを依頼し送迎してもらうことにしました。 
ナガルコットのホテルから、送迎して現地で二時間待ってもらって日本円で¥5000 安い! (現地の人はもっと安いはず)
   

チャングナラヤン寺院の門前町はチョット不便な立地からか、世界遺産と言われながら観光客が少なく、砂塵にまみれた市中の
他の寺院や観光施設に比べ、大変おち着いて見る事が出来、そこに住む人々も.おっとりと構え親しみと好感が持てると思います
流石に手作りとは言え、お面には手が出ませんでしたが作家が推奨する金ぴか「まんだら」を思い出の品として買い求めました。 
   
   

地震からの立ち直りも早かったそうで、壁面の彫刻の保存具合も素人目には大変良く見えます。 たまたまお祭りに遭遇しなんと
ものんびりした風情に、こちらまで引きずり込まれたような気分です。  次の動画をクリックして雰囲気をくみ取ってください。 
https://youtu.be/hy6UeacS8XU
映像を見終えたら「チャングナラヤン」
の文字横の*印を押すと元に戻ります。
 
   
   

震災の後がそのまま残っています。  崩れかけた歴史的建造物をツッカエ棒でどうにか保ち、石造の建造物は跡形もなく倒壊し
ています。  ここバクタプールは地震の爪痕がそのまま残っていると言っても過言ではありません。 住宅はご覧の通りのレンガ積
地震国日本から見るとなんとも心細い鉄筋入りの細柱、大丈夫だすか〜?   井戸で水くみこれまた大変、ゴミと埃と黒マスク
タクシーはメーターなしの事前交渉、結構勇気がいりますが兎に角物価が安いので、生活には困らないのでしょう。  昼飯を食べ
に訪れた、カトマンズのホテル内のそば屋さんのメニューをご覧ください。 外人向けでこの価格、生活費は日本の1/5でしょうか!
 
   

HIMARAYA SOBA と名乗り、長野は戸隠で二年間修業した現地人が開業したと言う、行かずばなるまいと訪れて見ました。
最高に高い蕎麦コース約¥1200、どうしてどうして本格的に鰹節の利いた汁は及第点、勿論天ぷらは揚げ立て蕎麦がきやら
蕎麦団子、その上蕎麦寿司と来ては「立派!」と言うしかありません。   そば粉が現地産のひきぐるみ(少々難点あり.!) 
   
   

仏教とヒンドー教が此の国の大半を占めているそうです。 特にヒンドー教の聖地が多くインドからの熱心な信者の来訪でご覧の
通りの人出に圧倒されます、  寺院のそばには火葬場があり大衆の面前で薪を積み上げて荼毘に付します。  ガイドさん曰く
「写真でもビデオでも好きに撮って構いませんよ、ヒンドー教では墓も作らず荼毘に付した灰を川に流すのです」とのこと。  
   

「人間の体は仏さまからの預かり物、死を迎えると神様だか仏様だかに速やかにお返しし、輪廻を願うのです」「行いの良い人は
また人間の姿でこの世に生誕し、行いの悪い人は虫けらや動物に生まれ変わるのです」だから輪廻を信ずる彼らは悲しくないの
だと真剣に話され、それにしても汚れ過ぎた川に捨てられ「これで、浮かばれるの?」と真剣に考えさせられました。 
   

焼き場のお兄さんが、焼き台の上を川の水で掃除しながら仏様の貴金属を探す姿に現実を見た気がします。  川の対岸では
喪主たちが、ピクニックの様に飲食物を持ち寄りこの光景を見ているのには、どうにも理解できない気持ちがします。 悲しまない
生活の知恵がこうした習慣を生み出しているのかもしれません。 
   

この国の人口の大半がカトマンズ盆地に集中していると聞きましたが、街の中の混雑ぶりは異常で無数に張り巡らされた電線や
ほぼ未舗装の道路、傍若無人に突っ込んでくる車、その間を縫うバイクの数、これはもう日本では想像もつかない状況です。
唯一この国で凄いと思ったのは、少年への教育です。  山間部の寒村へも壊れかけたようなスクールバスが子供を送り届け
教育に力を入れているのが分かります。子供たちの屈託のない笑顔をみてホッとするひと時です(カトマンズから三時間の山中)