サマースクール旅日記 (August.1999)
 
     
  16日(月)うれしいお誘い

やっぱり今朝も2時に目が覚めて4時まで寝られず、空が白んでうとうとしてきたと思ったら目覚ましが鳴る、というパターン。すっかりこのリズムが定着してしまったようだ。いつもの年だったらもうフラフラ状態だが、今年はなかなか元気で嬉しい。

朝食の後でエミリーから呼ばれて、最終日のダンス・リサイタルの時に、グループ・ダンスの他に、ルイと一緒の振付を踊らないかと誘われた。突然のことで「えっ!」と声が出ないでいると、階段の上の方から声がして「すごいわ! エミリーったら、なんて親切なのかしら!あたし達3人で踊れるなんて、なんて素敵なの! 」とアンヌ・マリーが呼びかけてきた。エミリーが畳み掛けるように、もうルイの承諾は取ってあると言う。それなら反対する理由など何もない。2つも踊れるなんでラッキーだ。一も二もなく承諾した。
練習時間はグループ・ダンスのすぐ後。このエミリーの振付の練習が1時間入ったので、昨日悩んでいたオレンジ・インテンシブはやめる事にした。日本に帰ってMiyu先生に習った方が、変な癖がつかなくて混乱しないかもしれないし。。。 クリエイティブも時間が重なるから受けられなくなるけれど、こっちの方が断然興味がある。先週受けていて良かった!

コーヒータイムの後、宿舎に帰る途中でマリリンとばったり。「I need you!」と呼びとめられて、なんと、彼女のダンスにも誘われてしまった。でも練習の時間がエミリーの練習時間と同じで、ごめんなさいと断る。マリリンは「Shit!」と両手を上げて何度も叫びながら憤然と去って行った。年を感じさせない可愛い容姿に、ワイルドな物言いが何だか可笑しい。が、彼女の振付はとても雰囲気があって素敵なので、踊れないのは本当に残念。私も「○○!」と言いたいくらいだ。

クラスが終わって、いよいよエミリーの振付の練習。
最初のグループ・ダンスは、8人で踊る、軽快で楽しい曲。既にどこかで発表したこともあるらしく、ウェンディーズがリードを取って、リラックスした雰囲気の中で練習が進んで行く。途中まで振り写しが終わったところで時間が来て、この日はお開き。

さぁ、次はいよいよルイとのダンスの振付だ。ルイはグット・タイミングで顔を出して、待機している。エミリーと仲がいいアンヌ・マリーはグループ・ダンスからずっと見ていたので、時間通りにメンバーが揃った。
「じゃぁ、始めましょう」とエミリーが声をかけたけど、アンヌ・マリーはちょっと沈んだ様子で椅子から立たない。「えっ? もしかして、トリオじゃなくてペアなの?」とちょっとびっくりしていると、エミリーがにっこりして「ルイ、Setsuを肩に抱え上げて」と言ったので、目が点になった。
えっー!? えっー! ルイは私より10cm位しか背が高くなくって、あんなに細いのにー!!
「私とっても重いんです」と必死で訴えるが(MMMは、ひたすら芸術性を追求するダンスと違って、より良く健康に生きることをも目的としているので、そんなに細くなる必要がない。)自分の振付となったら断然こだわるエミリーは、「やってみて」の一点張り。彼女はとても厳しいくて良い先生だが、こう言う時もなかなか妥協しないのだ。
ルイはというと、男の面子にかけても「出来ない」とは言えない様子。仕方がないので、エミリーの指示どおりに、私が肩の上に乗った状態で立ち上がろうと、ルイは顔を真っ赤にして頑張り、驚いたことに出来たのだった! でも当然そこで終わりではなくって、私は肩の上で片足を伸ばした状態で、あお向けに寝るように指示された。(写真がないので分かりづらいと思うけれど、横から二人を見たら、丁度十字架のような形になっている。)そして更に、ルイは7歩あるいて、ゆっくりと私を降ろすことに… 可哀相なルイ。重いだろうなぁ〜。
ありがたいことに、2回目以降はインディケートで練習。お互いがシャドーのように動きをずらして追いかけながら踊る、バランスの沢山入ったきれいな振付だ。途中で時間が来て、続きはまた明日。エミリーとルイに、今日からダイエットするわ、と宣言する。

夕食の席では、あんなにきっぱり「ダイエット宣言」をしたにもかかわらず、ケーキを食べているのをエミリー達に見つかり、大笑いされる。一応量は半分にしてもらったんだけどな。だけど明日から、お茶の時間のクッキーは控える事にしよう。