サマースクール旅日記 (August.1999)
 
     
  17日(火)ひたすら練習

早いもので、試験まであと3日。レッスンにも力が入る。朝は大っ嫌いなトリオというエクササイズのセカンドパートをやった。ウェンディーズからは「そう悪くないんじゃない」と言われたけれど、やっぱり納得がいかない。こだわっていると、「Setsuは完璧主義者なのね。」とからかわれた。

ダンスクラスは、ジム先生。先週ちゃんと出られなかったから、受けられて嬉しい。やっぱりジム先生のダンスは美しくて素敵だ。
クラスが終わった後は、そのまま体育館で、エミリーの振付とモーブを1人で練習する。床もいいし鏡もあるし、何故かその日は他の人は一人もいなくてラッキーだった。

午後のインテンシブでは、突然不安になったアンヌ・マリーが、クイック・ステップ、サークルダンスを何度も何度も続けざまにリクエスト。勘弁してよ〜。 彼女はまだ順番が入っていないので、軽く走ったりジャンプしたりする程度だけれど、こちらは常に全力なのに〜。おまけに、ルイがスプリング・ステップのヘッドの向きを間違えていて(マリリンのダンスの振付では、逆になっているので混乱してしまうらしい)これまた、何度もやりなおしの指示。リリアンからは「Setsuはもう休んでいていい」と言われたけど、頑張る。レッスン後は久しぶりにへろへろで、ルイと2人でへたり込んだ。これで、昨日のケーキの分のカロリーは消費したに違いない。

夕方、またエミリーの振付の練習に。ルイは彼なりにいろいろと練習したらしく、最初のリフトに椅子を使うことを提案。なるほど、椅子の上に立ちあがって爪先立つと、丁度腰の部分がルイの肩のあたりになるので、そのまま後ろにひっくり返れば、エミリーの指示どおりのポーズになる。ルイにとってはもちろんのこと、私だって床から持ち上げられるより、ずっとずっと楽だ。これでちょっと気が楽になった。
このあと2つも別のポーズのリフトが入ることになったが、こちらはルイの正面でジャンプして、両手で空中に支えられるやつ。高く飛べばいくらか彼の助けになるし、私も両手でルイの肩に手を添えるから、最初のリフトより難しくない。ゆっくり降ろすようにという指示で、ずるずるっと滑り降りなきゃいけないのはどうかと思うが、なかなか派手な振付だ。
この日はどんどん進んで、振り移しはほぼ完成。リフトの練習も何度もやったが、ルイはこんなに重い私が相手でも、嬉々として練習している。おまけに明日ゼネラルクラスのあとで、2人で練習しようと言うのには驚愕した。本当にダンスが好きなんだなぁ。エクササイズでは全然冴えないのに、ここでは目の輝きが違うもの。苦手なターンとスピンでは、私が1回転半している間に、余裕で3回転していたのには参った。

エミリーの練習が終わると、ルイからマリリンの振付の練習を見に来ないかと誘われた。2人でダンスシアターに行ってみると、私が誘われたマリリンの振り付けの練習の途中。ジャパニーズだけで踊る、落ち葉をテーマにしたしっとりしたダンス「Tourbillon」だ。私が入るはずだったらしいところには、Momoちゃんが入っていた。ライトピンクやモーブのエクササイズが沢山入っているから、まだホワイトの彼女には随分難しいだろうと思う。もっと肩の力を抜いて! と言いたいところだが、ついていくのが精一杯だろうなぁ。

そしてお待ちかねのマリリン振付のルイのダンス「L'envol」。いつも「Tourbillon」のあとで練習するから、毎回見ているRitsuko先生から「すごいのよぉ」と聞いていたけど、本当にすごかった! ものすごいスピードと高さでジャンプやターンを繰り返す、軽快なダンスだ。モーブのエクササイズのバリエーションがいっぱい入っていて、この練習をフランスからずっとやっていたというのなら、彼がクラスで混乱するのもうなづける。終わったら思わず「ブラボー!」と拍手してしまった。