サマースクール旅日記 (August.1999)

 
 
18日(水)アドバンスド・デモンストレーション

ゼネラルクラスのあと、昨日の約束どおりM1でルイとエミリーの振付の練習をする。「練習なんだから、リフトはやめたら?」 と言ったけど、「いや大丈夫」とルイはがんばる。体力あるなぁ。マリリンの「L'envol」もすごく激しいけど、噂では、夜ジム先生によるソロの振付も練習しているというのに。しかも、ものすごく厳しいレッスンで、ジム先生のシャウトする声が響き渡っているとか。チクショー(あ、失礼)羨まし〜い! 私だってジム先生にシャウトされたい。
テープはもらってないので、カウントで振りを通して細かいところを確認しあう。リフトは重くない?と聞いたけど、最初のは椅子があるからOK。あとのは、Setsuのジャンプが高いからイージーだと言われた。まぁ本当は重くったって、フランス人の男性の面子にかけて、口が裂けてもそうは言わないと思うけどね。
逆にジャンプではいるリフトのとき大丈夫?と聞かれる。怖くないかという意味かと思って「大丈夫」と答えたけれど、あとでMiyu先生から、リフトの時パートナーのウエストを持つ手の位置が上にずれたりすると、肋骨が折れることがある、と聞いてちょっとゾッとした。
聞かれていたのは、このことだったのね。お互い英語が思うように話せないので、いまいち複雑な話しになるとちょっと詰まる。(その点で、アンヌ・マリーがエミリーに頼まれたのは、エミリーの話をフランス語に通訳することで、それを一緒に踊ることだと彼女は勘違いした訳だったんだということが、段々分かってきた。)リフトのタイミングも合ってきたので、20分程で終わり、ティータイムにも行けた。

午後のインテンシブは、昨日のルイの「L'envol」が目の前にちらつき、負けるもんかとジャンプやスプリングを頑張る。私は女性には素直に「すごいなぁ。」とただ感心するだけだけれど、男性には何故かライバル心がめらめらと燃えるタイプ。たとえ到底及ばないと分かっていても。
昨日まではあれが限界と思っていたけれど、やってみればまだまだ跳べるじゃん。日本にもルイみたいな男性がいると、もっと上手になれるのに…

リサイタルの練習では、お昼の練習の甲斐もあって振付の順番もタイミングもばっちりだ。ちょっと自信が出てきてたので「ところでこのダンスはどういうフィーリングで踊るんですか?」とエミリーに聞くと、ひとこと「Togather」と返ってきた。ルイと顔を見合わせてちょっと苦笑い。う〜ん、半ば予想していたとはいえ、こうはっきり言われるとなぁ… じゃぁ、まぁ、そう言う気分でやらなくちゃ。

食後のイベントはアドバンスド・デモンストレーション。またまたグリーンが総出演という感じだけれど、先週よりずっとずっと良かった。みんな1週間前より体が出来て、調子が良くなってきたのだろうか。
97年度のマジェンタ組デモンストレーション

リリアもナディアもすごい!Momoちゃんは隣で「わぉ!」とエクサイトしている。ああいう風にやらなくちゃ、と毎回思うんだよね。
だけど今回は特にネルが素敵だった。彼女はとうに70歳に近い。いつもデモンストレーションには出ないので、今までじっくり見る機会がなかったのだけれど、あの伸びていく手のしなやかさ、柔らかなバックベント、連続的な動き、コーディネーション! 年をとっても美しく踊れるというお手本みたい。やっぱりカメラを持ってくるべきだったと後悔した。

アドバンスド・デモンストレーションの後は、すっかり気持ちがハイになり、モーブのハッピーステップをしながら宿舎まで帰る。(途中で出会った人たちからは当然のように笑われた、が、いいのだ!)幸せな気持ちでベッドに入った。