第4回原宿句会
平成3年3月21日 鎌倉吟行会

   
本覚寺・妙本寺・宝戒寺・頼朝墓所・杉本観音寺
報国寺・釈迦堂の切通・安国論寺・逗子マリーナ
    小山同人のご案内で


  東人
鎌倉や大町小町花馬酔木
山茱萸の花を帷に石の庭
椨の木の墓より朽ちし春二番
鎌倉の山高からず冴返る

  内 人
春愁や波頭の小走り由比が浜
鴬の遠くに聞こゆ仁王門
北条の苔むす碑ありぼけの花
こぞり咲く海棠すぎて頼朝墓

  玄髪
春園に香のかおりと琴の音
梅の香に誘われ出ずる小旅行
大幹の樹肌にやさし春日かな
寺めぐり合わす手の甲春寒し

  外人
わかめ干す縄の向こうの青い海
切り通し越えて感じる春の声
寒空にひよ鳥の声裏の山
春の昼薄日の中の沈丁花

  浄
将軍の遺徳を守る椨の幹
母と子の縁廻せし風車
硝子戸に薄日差し込む花山茱萸
寒風に白旗搖れる石階段

  白美
沈丁花手折るは難しと声ひそめ
足利の墓石欠けて花山茱萸
本堂はいずれの道か木瓜の花
沈丁花たばねて獄舎の夫見舞う

  京子
とつくにの雲水過ぎゆく梅の寺
卒業の吾子に香を添う沈丁花
亡き人を訪う寺に杉の花
小体なる茅の御堂に木瓜の花
見えかくれさがり藤抱く青葉かな
岩屏風引き廻しおり山茱萸の木
谷津の洞詣でて過ぎる春時雨

  大和
山門の茅を間近に登山道
家並の黒い瓦に白き梅
切り通し壁越しにみる椿の木
いにしえの礎石のそばにボケの花

  利孟
赤青と帆走る浜に若布刈る
観音堂顔拭いたる初蛙
子と遊べ谷埋めたる風車
辻子の寺山茱萸天を被いたり