第193回原宿句会
平成17年7月14日

   
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  白美
踊り子の靴下の穴パリー祭
白絣塩瀬の帯に水の文字
一日に二便のバスや漆掻く
声高に唱へる自説アマリリス
玉串を捧げて四拍梅雨の星

  利孟
雲梯の空の深さやアマリリス
漆掻く日がな溜まらぬ桶提げて
甘酒や井戸へと続く通し土間
ギロチンの床の深鳴り巴里祭
列車来るつどの改札白日傘

  武甲
ダンサーの強き眼差しアマリリス
蛍籠瀬音に揺れてペンライト
ペディキュアは夜光発色藍浴衣
巴里祭や僅差で逃す五輪の灯

  美子
無器用は宿痾と自嘲白絣
背と腹に目立ての傷や漆掻き
パリ祭支配は己が内に在り
アマリリス中空の茎事も無げ
目薬の切れて満了夏の旅

  箏円
白絣魚煮るにほひこもる路地
アマリリス手拍子烈しフラメンコ
さくらんぼ大人と興ず紙芝居
ばった飛ぶ草を蹴散らす気迫にて
巴里祭の明けてシャワーの如き雨

  和博
足指の太き漢や白絣
緑陰や詩人は風を糧として
アマリリス少女は神に掌を合はす
梅雨晴間辛さにふたをしてをりぬ
日和見の成れの果てとは巴里祭

  直人
アルバムのセピアの写真巴里祭
親父失格蚊帳の白さに転々す
心虚ろ何もせぬ日やアマリリス
よく冷えし酒に舐め味噌白地着る
朴の葉に盛りたる飯や漆掻く

  正
アマリリス恋してならぬ人を恋ひ
みなもとの聖なる泉セーヌ川
甲子園応援団長白絣
パリーにはオペラ座ふたつ橡の花
涼しさや麻のポシャギに置く青磁