第41回原宿句会
平成5年7月21日

   
  玄髪・武甲栄進祝賀句会
兼題 水中花 焼酎 遊船
席題 暑中見舞


            東 人
任国のことなど暑中見舞かな
水足してより満開の水中花
川砂で冷やす焼酎川漁師
遊船の闇を醒ましてさかのぼる

            白 美
殊更に野卑に語りて芋焼酎
暑中見舞読みつつ熱きカレーかな
景品のコップに揺れる水中花
模擬店の匂ひ流れて舟遊び

            利 孟
三段に詰めし地卵暑気見舞
焼酎を汲む黒土瓶の佳か座り
遊船や踊りの舟に蹤き下る
手返せば火盛る鍋や水中花

            美 子
一湾を我が物にして船遊び
帯しめる鏡の奥に水中花
水中花電話も鳴らぬ日なりけり
焼酎のグラスに絡む赤き爪

            梅 艸
湯で割って麦焼酎の潮目かな
美しき凸レンズあり水中花
腕まくりして焼酎の栓を抜く
指切断して喫水線の舟遊び

            健 次
うねりごと入る洞窟船遊び
汐の香も薄れがちなる藷焼酎
子を集め放り込みたる水中花
せんみつの暑中見舞に安心し

            希 覯 子
菅笠に藷焼酎のお品書き
旅の友暑中見舞にホテル箋
句敵の艫に舳先に舟遊山
水中花夫より一足早勤め

            千 恵 子
焼酎や革命信ぜし友のこと
エアメールで届く暑中見舞いかな
水中花二人に言葉いらぬらし
靴揃へ遊覧船の客となり

            千 里
水泡に光集めし水中花
揺れるごと光を返す水中花
ひんやりと切子グラスにそば焼酎
舟遊び方寸の空光満つ

            重 孝
捨て難し妻の残せし水中花
遊船の流れるまゝに言葉減り
暑中見舞い認めながらはや一年
涙して飲む焼酎に水要らず

            京 子
子猫にはマジシャンとなる水中花
ビー玉で根を締めゐたる水中花
生み月を書き足し暑中見舞かな
球磨焼酎黙然として飲み飽かず