第206回四天句会
平成18年8月10日

   
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 白美
野良猫に一瞥されて端居かな
処暑の夜やカレーの辛さ控えめに
焼きそばに砂の一粒海の家
高層のビル街路樹の蝉の殻
鳳仙花磨きし鍋の並ぶ棚

 比呂四
夕暮れの身を緩ませて処暑の風
夏期休暇届余白の課長印
閑散としたる校庭鳳仙花
端居してゐたる片手の句帳かな
蝉の声ビルの谷間に谺する

 直人
端居して妻の繰言切れぎれに
口笛のおとの乾涸びし油照
処暑夕べ沖に向きたる浜日傘
鳳仙花小町娘はたすきがけ


 利孟
日を煽り立てる鳴動油蝉
大関の醜名を散らし色浴衣
鳳仙花爪に貼り付けガラス玉
目覚ましを止めての二度寝処暑の朝
盛切りの酒に嘗め味噌夕端居

 武甲
ひとしきり作柄談義端居かな
処暑の街たこ焼き店の客の列
鳳仙花写生でつづる旅日記