第242回四天句会
平成21年10月21日

   
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兼題 石榴 鰯雲 曼珠沙華
席題 秋澄む


  美子
鳩一羽遅れ旋回鰯雲
石榴なます肴に昔話など
秋澄むや半透明に鳥の影
園児等が手に手に触れて曼珠沙華
猫赤子良く寝て庭の熟し柿

  利孟
写経会の僧の饒舌秋澄めり
神棚の蓋置く瓶子神の留守
枝も葉もなくて現し身曼珠沙華
隠居所の天に成らせて石榴の実
網張りの基地の鉄柵鰯雲

  義春
鰯雲漁夫の眼は沖を見て
秋澄みて里山に音無かりけり
直売所隅に器量の悪き無し
いさぎよく割れて日蔭の石榴かな
花盛り過ぎて直立曼珠沙華

  比呂四
天空の更なる高み鰯雲
目薬にしばし目を閉ぢ愁思かな
喧騒の事務所を出でて秋澄めり
すくと立ち並んでいるや曼珠沙華
ふわふわの巣で守られ石榴の実

  武甲
高麗川の袋田埋め曼珠沙華
国が沸きし五輪の記憶体育の日
鰯雲ラジコンヘリの斜に飛ぶ
石榴割る生物学の種の講義

  恵一
火を吐いてくちびる焦がす石榴かな
盛り塩に並びこぼれて実南天
断崖に立ちて手招き鰯雲
砂利道の白き埃や曼珠沙華