平成２２年７月２１日
第２５１回四天句会
平成２２年７月２１日
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兼題 海月 夕立 黴 席題 猛暑 |
美子 頭髪のきしきしと荒れ猛暑なり 夕立かな首無き地蔵打ち据ゑて 黴臭き道着ずしりと手渡され 肩先をぽんと突かれて夏に入る 海月出て名残の海となりにけり 武甲 街の色変へて夕立鎮まれり 猛暑日の計測わるき万歩計 海の日や所作に無駄なき訓練生 大潮のうねりに乗りて海月来る 黴退治あの手この手の指南本 利孟 重なりの輪のなほ透けて浮き海月 夕立やコイン洗車の大ブラシ 牛丼の肉を大盛り猛暑の日 寺の無き八坂の塔や一夜酒 黴のパンちぎれば群れ来雀かな |
義春 黴の香や畳廊下の強羅の湯 大夕立セメン護岸の神田川 夕顔や佃の路地を迷ふ猫 大通りに寝込む野良犬猛暑かな 旅の宿出でしベランダ海の月 恵一 黴臭き宿直室や茶碗酒 異議なしの声の汗ばみ株主会 目も鼻も溶けるがごとき猛暑かな 御椀海月発光しつつ浮き沈み ガードマン車を制す夕立中 比呂四 貴重品箱の蓋開け黴を吹く 熱線の六腑に沁みる猛暑かな 身をくづすばかりの浜の海月かな 夕立の三十分の長さかな 輪郭の煌々として雲の峰 |
