第253回四天句会
平成22年9月15日

   
兼題 新涼 曼珠沙華 とろろ汁
席題 法師蝉    

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  利孟
法師蝉つくつく木魚のぽくぽく
新涼やこすれば消えるボールペン
とろろ汁擂るや漢の大胡坐
かたむきて咲けぬ痩せやう曼珠沙華
夏痩せや喉鳴らすかに搾乳機

  比呂四
終電の去りて膨らむ虫の声
楚々と立つ案内嬢や曼珠沙華
新涼や深々浸かる野天の湯
手加減のゆるさがちやうどとろろ汁
法師蝉遠くに聞きてまどろめり

  美子
臍の緒の片端は母曼珠沙華
小振りなる擂り鉢をもてとろろ汁
新涼や撫でてそろへる猫の髭
嘆息のとぎれてはまた法師蝉
登山道を塞ぎて群の赤蜻蛉

  恵一
秋桜をなびかせパラグライダー発つ
新涼や頭に乗せ運ぶ甕の水
仄暗き森に迷ひて法師蝉
曼珠沙華熾火のごとく野に暮るる
牛タンをのせた麦飯とろろ汁

  義春
日の暮れるまで追ふ小鮒とろろ汁
生きてゐることの叫びの法師蝉
新涼の風来る空の青さかな
緋とも言ひ赤とも言へる花カンナ
畑さわぐ風にも凛と曼珠沙華