第286回四天句会
平成25年6月18日

   
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兼題 夏足袋 紫陽花 心太
席題 夏至



  利孟
身じろぎもならぬ熱湯に浸り夏至
花四葩通園バスの路地抜け来
心太これで痩せるかしらなんて
木下へと入る夏足袋の白さかな
夕空に声啼き捨てて雲雀落つ

  武甲
梅雨出水エリアメールの着信音
心太まづ酢醤油にむせすする
夏足袋や老舗切り盛り若女将
紫陽花や葉巻の香る貴賓室


  比呂志
夏足袋の縁ひそやかに渡りくる
閉門の庭の静もり濃紫陽花
輪郭を微かにうかべ心太
あれこれと部下への愚痴や梅雨湿り
夏至の日の鉄路の長く延びにけり

  恵一
摺り足の夏足袋のゆく橋掛り
ひとがたを流す月山あふぎては
絵幟の鍾馗はためく甲斐路かな
ばりばりと海苔を揉みかけ心太
ベランダに猫の伸びして濃紫陽花

  義春
天突きは祖母の仕事よ心太
夏足袋や芸妓の白きふくらはぎ
安曇野の溢るる流れ呼子鳥
紫陽花も明るく送る庭の礼
退社時の白き天日夏至の空

  あやの
渓谷の茶店満席ところてん
マグナムの瓶にあぢさゐワインバー
海沿ひにひたすら走り夏至夕べ
夕映えに白の一団更衣
夏足袋の古りしバケツと金柄杓

  雨竜
夏足袋や摺り足ついと能舞台
夏至の日の朝餉早やばや始まりて
紫陽花の藍滴らせ小糠雨
母の箸夏の夕日の影の中
心太眼下眺望を飲み込んで