第287回四天句会
平成25年7月16日

   
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください

兼題 青林檎 蛍 凌霄花 油照り





  利孟
炭塵にまみれし鉱夫油照り
飛行帽被りし遺影青りんご
蛍の夜指でぬぐひて盃の紅
腰蚊遣り鳴らして登る高梯子
天道にあと一伸びと凌霄花

  恵一
管弦祭御座船くぐる大鳥居
少年のかばんにナイフ青りんご
客待ちの車にこぼれ凌霄花
家中の明かりを消して蛍籠
油照焼香につく列長し

  義春
凌霄の花揺れ子供鼓笛隊
ミッキーを待ちて二時間油照り
蛍火の飛びて過去へと誘へる
青林檎津軽の青い空にゐる
午後の街飛び込み買ふやパナマ帽

  武甲
路地裏にカフェーの幟凌霄花
濡れ肌にはりつく砂や油照り
青りんご壮士きどりの登壇者
日輪に猫居すくまる炎暑かな
闇に浮く光の軌跡螢飛ぶ

  あやの
衣擦れの音のもつれや蛍の夜
のうぜんのアーチの奥の英語塾
葉柳の水面を滑るどんこ舟
山笠の武者に睨まれ油照り
青林檎傷み聞かせよ無口の子

  比呂志
囲ふ掌を開けて蛍の火を発たす
路地裏の塀を這ひ出し凌霄花
丸ごとは歯も立たぬかな青林檎
炎天や眼球灼けてしばしば目
うなじより流るー筋油照

  雨竜
冷房や肺の影見せレントゲン
皺の手を伸ばしもぎ取る青林檎
短冊に灯る蛍の願ひかな
凌霄のあはれ垣根を落ちにけり
油照り一気に飲み干す飲み放題