第367回四天句会
令和2年3月14日
   
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兼題 受験 麗らか さより


  利孟
胃の腑へと落ちて細魚の頼りなく
乗り換へのメモを見返し受験の子
皇居前広場の砂利を踏み朧
山笑ふ鉄道茶瓶に茶の一字
シーソーにタイヤのクッション麗らかに

  比呂志
受験子の終了合図に笑み浮かべ
麗らかや老舗の並ぶ日本橋
山笑ふトンネルだらけのリニアカー
トロ箱に嘴刺さるさよりかな
ウイルスと共に黄砂の飛来し

  虚承
うららかやチヨコレイトと五歩進み
湯気の満つ厨の典座山笑ふ
駒専とMARCH全てを受験して
春の宵二人きりなる三次会
外敵に顎ばかり見せ細魚去る

  義春
夜勤明け寮まで五分麗らかに
おにぎりの転げる話山笑ふ
朝の海光を背にして針魚
受験子の予備校仕込みの受け答へ
春嵐中止のシール斜め貼り

  雨竜
春一番壁に剥がれの無人駅
山笑ふ相模の海を望みつつ
海面を雨もサヨリもつつきけり
受験の日普段の通りバスを待つ
麗日や火災訓練裏切らず

  あやの
うららかやマシュマロを買ふ修道女
えんぴつの音一斉に大試験
二艘曳きのさより船行く朝ぼらけ
ガード下のヴァイオリン弾き鳥帰る
滑り台に載せる幼子山笑ふ