第377回四天句会
令和3年2月10日
Zoomリモート句会
   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 春隣 節分 二月
席題 初午
   瀧凍てゝ水にねむりの刻もどる 重次




  利孟 
鬼ならぬ人が身喰らひ焼嗅し
春隣り黒板消しは粉噴いて
裃は自前の役者節分会
制服の寸一杯に出し二月
初午のけつねうろんにおいなりさん

  雨竜
鶸色の衣装の舞子春近し
初午や地口行灯読みたどり
節分の豆殻二つ折りにして
脚元に犬の擦り寄る二月かな
南無観世音春陽啄ばむ雀かな

  恵一
節分や火にくべ鳴らす海桐の葉
植木屋の鋏の音も春隣
二月来る竹林に差す朝日より
まだ咲かぬ桜の根本花牡丹
神主は音楽教師一の午

  比呂志
定食に加へ小鉢の蕗のたう
庭土に赤みの増して二月かな
手開きの鰯皮引き握り寿し
朝まだき風の緩みて春隣
初午や稲荷の祠ある更地

  あやの
撫で石の注連あをあをと午祭
声ひそめあたりはばかり豆を打つ
春浅し踵落としを五十回
花と子の絵葉書を買ふ春隣
ペダル漕ぐ脛に滲み入る二月かな

  虚承
フラフープ三回で落ち春隣
小袋のまま節分の豆を打ち
初午や父にねだりてチョコバナナ
乙女座をアプリで探し春の星
新聞の折り込み増えて二月かな

  義春
鳴き交はし艫追ふ鴎春隣
年男浄める護摩火節分会
廃線の崩れし土手や蓬萌ゆ
茫然と耐へて時待つ二月かな
初午や疲れて帰へり稲荷寿司