第392回四天句会
令和4年5月12日
Zoomリモート句会
   
兼題 立夏 風薫る 麦秋
席題 毛虫焼く

瑠璃光院 床青葉
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ご興味のおありの方はお探しください



  利孟  
月二度の移動図書館麦の秋  
風薫るドラムメジャーの挙手の礼  
せうぶ湯の貼り紙湯屋の一番湯  
朝刊の分厚きチラシ立夏かな  
瞬殺の火吐くバーナー毛虫焼く  

  比呂志  
竹林を抜け奥嵯峨の鮎の宿  
新聞に葉ごと落として毛虫焼く  
青もみじ重なり透けて風薫る  
地を揺らす魔物の潜み麦の秋  
拭き上げる墓石の熱や夏来る  

  恵一  
水車より水ほとばしる立夏かな  
風薫る琵琶湖めぐりの外輪船  
ウクライナにのぼる硝煙麦の秋  
大仏に雲の影差し麦の秋  
毛虫焼く着火バーナー近づけて  

  雨竜  
保育園のウッドデッキや風薫る  
穀雨かな背中丸めて傘ひろげ  
毛虫焼く蒼くかがやく焔かな  
麦の秋風に乗り来る子らの声  
風抜けるインビジブルソックス立夏かな  

  虚承  
ブラインド降ろす図書館立夏かな  
毛虫焼く落ちてくの字に身悶えて  
薫風やユーミンの飛行機雲うすれ  
文庫本ワゴンに積まれ麦の秋  
熱気球のマーカー投下朴の花  

  あやの  
鳥よけの旗あをきいろ麦の秋  
悩み負ふ子よ負はぬ子よ新樹光  
洗ひ晒しのデニム素肌に穿き立夏  
風薫る材木店の長屋門  
鳥肌を覆ひ尽して毛虫焼く  

  義春  
心地よき蕎麦の喉越し立夏かな  
薫風の海を見詰めて風見鶏  
麦秋の中D51の汽笛かな  
駆け回る園児の声や花躑躅  
眉上げて御免と言ひつ毛虫焼く