第393回四天句会
令和4年6月14日
Zoomリモート句会
   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 紫陽花 かたつむり 梅雨
席題 水無月


  利孟  
水無月やジャワスマトラの香焚いて  
つの出せと唄へばちぢみかたつむり  
梅雨の底eスポーツといふ競技  
君が袖濡らし揺れづめ花四葩  
漁夫帰り鰊番屋は風に泣く  

  比呂志  
トラックの陰へと逃れ三尺寝  
水無月や田水の青く輝ける  
閉門のチャイムに揺れて濃紫陽花  
ねつとりと跡を残して蝸牛  
両肩のずつしり重く梅雨に入る  

  義春  
蹲踞の蔭で雨聞き蝸牛  
父の日や銀の従軍盃磨き  
お色直しのブルーのドレス濃紫陽花  
水無月や金剛杖の木の香り  
梅雨長し在職時の写真かな  

  虚承  
蝸牛歩むを眺め方丈記  
豊穣の雨を呼び寄せ濃紫陽花  
桜桃忌市民講座にフランス語  
ネクタイを少し緩めて梅雨の入り  
水無月や ひんやり湿るクロゼット  

  恵一  
灌木を覆ひて定家葛咲く  
水無月やうつすら白き竹の肌  
青梅雨や立ち脚を替へフラミンゴ  
行くところ濡らして過ぎぬかたつむり  
紫陽花や空の青さをそのままに  

  あやの  
雨蛙の声に揺らぎて寺の闇  
艶失せて翅重た気に梅雨の蝶  
かたつむり掴みて指を葉で拭いて  
水無月やまづは煮沸の保存瓶  
紫陽花に埋もる鉄階浄水場  

  雨竜  
ででむしや葉脈に沿ふ露の玉  
雨靄の人影二つ濃紫陽花  
緑陰の空はアリストテレスに見えにけり  
水無月や丈夫な体は小麦色  
梅雨かしこ破顔いつしかおちよぼ口