第404回四天句会
令和5年5月15日
Zoomリモート句会
   
兼題 新茶/夏木立/風薫る

花の寺 勝持寺の青楓


  利孟  
節くれの指に宝瓶新茶汲む  
日覆ひに小暗き茶苑立夏かな  
白杖を畳みて憩ひ夏木立  
学園坂の高き石段樟若葉(茗荷谷界隈)  
風薫る高原列車の開かぬ窓  

  比呂志  
風薫るお尻が歩くおむつの児    
宙を舞ひ船へと釣られ初鰹  
揉み上げて針の細さの新茶かな  
ドライブの窓を全開立夏かな  
夏木立抜けてチャペルの白き壁  

  あやの  
らうたげな地蔵千体風薫る  
バレエ校のピアノに床の鳴り立夏  
東京タワー下の大寺の夏木立  
大刹や千々に日の斑の若楓  
注ぐ音のほのぼのとして新茶かな  

  恵一  
切通し抜け鎌倉へ風薫る  
家業継ぐ娘と新茶汲みにけり  
まづ新茶汲みてチェーホフ読み返す  
手を上げて止まるタクシー夏木立  
 

  雨竜  
薫風や畦道うねる千枚田  
薫風に声載せて呼ぶ谺かな  
白杖の娘の歩の凜と夏木立  
星の数一気にふえて立夏かな  
走り茶やスタートダッシュの百米走  

  虚承  
落ち武者の裔の娘の茶摘みかな  
黒潮や薬味三種の初鰹  
学食の唐揚げ大盛り立夏かな  
薫風の竜神池に浮子投げて  
大夏木見上げて登るケーブルカー