第１７１回 平成２３年０３月２７日
宇都宮市中吟行
☆たまさかに揺れて桜の二三輪
○沈丁花路地の奥なる花頭窓
○初蝶のへらへら越ゆる仁王門
・白銀の和毛によろひ翁草
・老幹の洞を宿とし冬の草
昭雄
○産みたての土に転る寒玉子
○明闇を分つ石段梅真白
・飴切りの遊び包丁春隣り
・蕪村の名残る名刹春の月
赤門の修復なりて梅開く
聖子
○老幹をおほひて古寺の糸桜
○ものの芽の土押し上ぐる太さかな
・老幹の洞にちらほら草萌ゆる
・萌えさうな草餅ひとつ貰ひけり
初桜咲いて影濃き鏡池
○梵鐘の音色ひろげて春の風
・啓蟄や余白少なき予定表
・梅が香の朱の山門をくぐり来る
・不揃ひの形並べて母子餅
・震災の爪痕屋根に鳥帰る
敬子
☆春節や家伝の酒の薦被り
・啓蟄の篁に差す薄陽かな
・杖つきて踏み出す朝黄水仙
蔵町に残る老舗の蓬餅
猫眠る箱階壇や春隣り
於した
○初蝶や友を忍ぶる話など
・老桜の猿の腰掛幹に置く
春の夜や停電で知る月明り
原発で咲くを恐るる桜かな
啓蟄や見舞電話の人記す
・遠霞那須連山を遠ざけて
法面にたんぽぽ一輪昼日中
薄紅の桜の芽立ち山の寺
風に跳ね仄とつやめき薔薇芽立つ
色くすむ大谷石塀風光る
利孟
花兆す小首かしげて弁財天
紅梅や天に声吐く柵の鶴
たんぽぽや子と広げたる握り飯
木々芽吹く鉄燈籠の錆びし獏
鶯や台座に銭の阿弥陀佛
宗匠は、結構出句が評判が良かったのでご機嫌です
利