第323回 令和6年2月24日19時 Zoom
兼題 余寒 バレンタインデー 土筆 綿入れ


  利孟
 冬の波岬のカフェの固き椅子
 牡蠣小屋の火を赤々と一斗缶
 綿入れを着て丸々と籠りけり
 義理チョコを男持ち寄りティータイム
 千年の寺の由緒や落ち椿
 レール搏ち音見る工夫つくづくし
 頼朝が落ち来し安房の初桜

 瀧凍てゝ水にねむりの刻もどる 重次遺墨


  比呂
☆米研げば犬の遠吠え余寒なほ
△病む人の爪の脆さや春北斗
△つくし野や流人の墓の朽ち果てて
・バレンタイン大きリボンを箱に掛け
・寝そびれて見る天窓の春銀河
・花柄の母の衣直しちやんちやんこ
・余寒かな後生車ののからからと

  信子
☆チョコ香る母の忌バレンタインの日
△つくし野に広ごる日差し終日
△足場組む音高々と寒明ける
・贈るチョコ自分へのチョコバレンタイン
・土筆伸ぶ丘頂上の美術館
・転寝の父に綿入れかけやりて
・ただ揺れるだけの運動余寒かな

  ミヨ
☆松手入れ空打ち鋏に捗がゆき
△足湯して一人ゆつたり雪景色
△春水を汲み桶のたが引き締まる
・梢までねぐらを争ひ鷺と鵜と
・冬日差し広縁隅の猫つぐら
・軒下にかこふ菰より春の声
 開け放つ鳥屋にほつほつ春の星

  美恵子
☆自分へのご褒美のチョコバレンタイン
△一つ摘むたびにママへとつくしんぼ
・足早に肩をすぼめて余寒まだ
・ほつれ無く祖母の仕立ての綿子かな
・背を丸めうつらうつらと炬燵かな
 余寒まだ天長節の白き山
 綿入に袖を通せば弛む顔