第334回正月句会  令和7年正月18日13時
兼題  初東風 若水 初詣



利孟
 初雪や屈背に暖簾出しながら
 空高く駈けオリオンの狩る獲物
 初東風にゆるりと解け旭日旗
 指濡らすばかりの手水初詣
 人垣を越えて銭抛り初詣
 福男たらんと疾駆初詣
 若水を汲むや手桶の淡き湯気

  比呂
☆幽かなる鶏鳴ききぬ初昔
☆空つ風笑ひ閻魔の覗き窓
〇大くさめ続き腸出る心地
〇黒光りして砂浜に干す若芽
〇初東風や子の小走りに弾み来る
〇若水や裏山に湧く泉へと
 墓参して拝す本尊初詣

  信子
☆女坂にも湯気立つ出店初詣
〇朝日浴び昇る百段初詣
・初東風の能登復興の店灯り
・箱寿司の色のとりどり炬燵猫
・ひと啜りだけで出勤七日粥
・駅前の好みのパン屋恵方道
 初詣りんご飴屋の甘き赤

  美恵子
〇初詣庭火を守り男衆
・初東風や和菓子の桃の甘きこと
・若水の沸きて招客躙入り
・若水に酔ひを覚まして日を拝む
 初東風やジムのバイクの軽きかな
 発熱の電話途切れぬ去年今年
 篝火に薪を投げ足し去年今年

  ミヨ
〇俎板のせはしき音や暮早し
〇蒲団干す日射しのかをりに包まれて
・冬もみじ残る境木ここにかな
・耕運機押し出す音や暮早し
・根曲がりのねぎ掘り上げて風の中
・林檎狩り遠連山に曇の湧き
・扉の失せし通用門の風冷ゆる
・白菜の天辺くくり風の畑
・おもむろにコオヒイを碾きや冬籠もり
 冬耕やクレーン車の打つ夕焼け
 耕地杭打つ小さき冬もみじ
 崩れかけの枝折り戸ゆらし那須颪
 胸像の石仏数多寒雀
 葉ボタンの並びひそひそ話かな