第335回 令和7年2月15日 19時から Zoom
兼題 二月尽 雪解 朧 紅梅


  利孟
 処方薬の注意細々二月尽
 長靴の禰宜の振る幣御神渡り
 衆生への火の粉の散華お松明
 九十九里浜に海鳴り朧月
 風に震へ光に咲いて福寿草
 雪解風目覚めの刻の山毛欅の森
 紅梅の堅き蕾のまま紅し
 頼朝が落ち来し安房の初桜

 瀧凍てゝ水にねむりの刻もどる 重次遺墨


  ともこ
☆手のひらは日向のにほひ種を選る 
○啄みの痕の数多の冬菜摘む
○寒紅梅震災の疵残る寺 
○雪解雫一滴からの水の旅 
・春炬燵数字変はらぬ歩数計
・診察を助手席に待つ熱の風邪 
 塩あじの程良き葉先花菜漬け

  美恵子
○モノクロの庭に紅梅色づきて
○春麗ら車をよけぬ鳩の居て
・雪解けて鳩は小枝を咥へをり
・病床の母の髪梳き二月尽
・ふくよかに咲ける紅梅病癒ゆ
・台湾の朧夜ランタン放たるる
 朧月検査ホルター着けたまま

  信子
○雪解けの無人駅舎へ差す入日
○陽の欠片遊ぶ氷柱の雫して
・二月尽能登に復興七尾線
・薄みどりの襞重ね合ひ冬レタス
 朧夜の読書眼鏡を取り替へて
 寒昴楯持ち走る機動隊
 冬温し永代墓に石の椅子

  比呂
・旅立ちの子に点てる茶や寒紅梅
・たもとほる土手の色づき二月尽
・米所ゆたかに疾き雪解水
 朧夜の宿の襖の松づくし
 池凍る組みし星座の鏡ならん
 洋鋸で奏でる曲やつくしんぼ
 アルトウールス、スピカの大曲線おぼろ