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読後メモ index

2012.032012.09

日記の フリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。

日付ごとにアンカー付けています。

e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary1208.html#yyyymmdd


2012年8月

その他


8/31(金)
きょうまでに読んだ本。
まず、高野和明を続けて4冊。『グレイブディッガー』『幽霊人命救助隊』 『6時間後に君は死ぬ』『K・Nの悲劇』
『グレイブディッガー』は、テンポやハラハラ感は悪くはな いけど『13階段』のほうが重いけれど面白かったなあと思い、しかし主人公の変わりたい気持ちが叶うかどうかを見届けられる楽しみがあった。
『幽霊人命救助隊』。自殺や鬱について調べたうえで書かれ た感じ。人を救うことで自分も救われてゆく物語。なんて書くとシンプルですが、長短あれ100のエピソードを考えるのは大変だったと思う。
『6時間後に君は死ぬ』。人の未来が読めてしまう、山葉圭 史を軸とする連作集。あたたかみがあって好きだった。運命は変えられるなんて簡単に言えることではないけれど、それを命がけでやってみせた最初と最後の話 も良かったし、運命を受け止めたとも言える「ドールハウスのダンサー」も好きだった。表題の「6時間後に君は死ぬ」のもどかしいラストから5年後に「3時 間後に僕は死ぬ」で、新しい展開を読めるとは思わなかった。「6時間後〜」をリアルタイムで読んでいたなら、「3時間後〜」が発表されたときは嬉しかった だろうなあ。今はもう、こうして同時に読めてしまったわけだから、そのありがたみは薄いのかもしれない。
『K・Nの悲劇』は、読み進めるのが少しつらいというか怖 かった。精神的な病と憑依現象の近さ、判別の難しさについて考えた。
多岐川恭『私の愛した悪党』。プロローグの後にすぐエピ ローグが来るという構成。20年前の誘拐された女の子は3人のうち誰なのかという謎と、殺人事件がわりと軽いタッチで描かれている。最後まで読み終え、彼 女の切なさを感じたあとにエピローグを読み返す。最後の数行を何度も読み返し、正直であり、かつ、深いなあと思った。
真柴幸子『殺人鬼フジコの衝動 限定版』。時間をつぶさな くてはいけないときがあって、商品の多くない本屋で選んだもの。最初読み始めてなんとなく「読んだことあるかな?」と思ったんだけど、読み進めていくと やっぱり読んでないかな、と。曖昧。が、読後の印象はなんとも強烈。“あとがき”から、そこを読み終えてページをめくって書かれていることの衝撃が、なか ば予想していたとはいえ怖い。この物語が怖かったのは、あ、犯人はこの人なのだろう、と読者である私は気がついてわかるのに、物語の中でそれは明確には描 かれず、だから、犯人(らしき人物)による語りや言い訳もなにもないところ。対象がはっきりしないという怖さ。ああ、やっぱりこの人なんだ、でもこちらが 手を出せない感じが怖い。

今習っているフランス語の先生が9月いっぱいで日本を離れるので(アマゾンに行ってシャーマンになる修行をする)、少し前から次の先生を捜していた。今ま で5つ体験レッスンを受けて、問い合わせて行かなかったところが2つ。そして、きょう行ったところに決めてきた。直感が大事だと思ったので。

一番最初に行ったのは、ベル***。まあなんといっても高級だし、部屋も窓があって開放感があるし、先生もインテリぽく、かつ感じが良い。勉強には最適な 環境ですなあ。レベルチェックと体験レッスンを合わせて40分。レベルチェックは、文法の簡単なものから難しいほうへ、つまり現在形から最後は仮定法・接 続法まで順番にテストされてるなーというのがわかり、その度に先生は紙にチェックしていた。システマチックだなあ。体験レッスンも、訓練といった感じで、 フルセンテンスで正しく話させる。頭を使って疲れたが充実の時間でとっても満足でした。とはいえ、値段が値段なので、ここはやっぱり現実的ではないのだっ た。料金説明のみで、勧誘なし。

2つめは、ラブレ****。校長先生が駅まで迎えに来てくれて、学校まで連れていってくれるのはありがたいのだが、ずっと日本語でしゃべりしっぱ なし。声が大きくちょっと元気すぎて恥ずかしかった……。体験レッスンをしてくれたのは、別の先生で、良い意味で訓練的でこちらが正しく話すのを辛抱強く 待つタイプ。間違った文法で言うと、もう一度と言われ続ける。それは、自分で間違いに気づかないと覚えないからです、と言われた。あんまり愛想がある感じ ではなかったのですが、真面目に勉強できそうでした。ただ、教室がちょっと狭めなのと、先生の厳しさから、圧迫感を感じたのは否めない。同じ訓練系です が、ベルリッツでは感じなかった「早く帰りたい……」という気持ちが生じてしまった。レッスンのあと、校長先生に私のレベルを伝え、この教科書を使ってこ うしてゆくつもり、というのを私の前で話し、校長先生が日本語で私に伝えるという真面目なフィードバックはかなり好印象でした。ちなみに、ここは体験レッ スンは有料2000円だったのだけど、校長先生にサイコロを振るように言われ、……「払わない」が出るまで……、で結局無料に。よく考えてから決めてね と、料金表を超かわいいフォルダーに入れて渡されて終わり。入会後の料金も抑えめなので(入学金はない)、合う人にはかなりおすすめと思う。

ラング***。多言語を扱っている。例えば、カフェで英会話というのを、場所をあらかじめ提供して行っているという印象で、簡単なパーティションで 区切られたファミレスのような雰囲気。だから、近くの声も良く聞こえます。ある程度自己紹介をしたあと、自分に質問をしろと言うので質問をしたら、それに ついて延々と話し、私が話す段になるとなーんか退屈そうな感じ。言葉のニュアンスを教えてもらえるのは良かったけれど、顔の良さにあぐらをかいてないか?  という感じでした! 先生は経験もあって人気もあるのですよ、と言われたけれど、私にはそういう印象はなし! 一緒に勉強したいと思えなかった。プライ ベートの体験レッスンは30分で2000円。ただ、入会しての料金は安いと思う。スタッフさんは暗に入会が当たり前的な雰囲気を漂わせていたが、「よく考 えます」と言って帰ってきました。

3つ行った段階で、やっぱりベル***はいいなあ〜と思ってしまった。

ヌーベル****。40分の無料体験レッスン。先生は、穏やかだけれどよく聞いてくれる感じ。隣の教室の音がときおり聞こえてしまうが、許容範囲 か。決め手にはかけるものの、可もなく不可もなく。ただ、最初にスタッフさんにこういうことをしたい、というのがちゃんと先生に伝えてもらえていたのか、 レッスン中もあまり感じなかったのと、レッスン開始後のビジョンが見えなかったので不安が残ったのもある。強い勧誘はなし。フィックスにすると低料金。

この時点で、2つめに行ったラブレ****は良かったのかもなあと思い返していた。

そしてきょうの吉祥寺。ここはマンションの一室を借りての教室です。まず、入ってすぐの部屋の印象が良かった。先生も、インテリな感じかつ感じがよ い。ユーモアもあり、こちらの希望もよく理解してくれている感じ。こちらの話も訂正したり助け舟を出しながら根気よく聞いてくれるし、先生の持論も聞け て、面白く勉強になった。この先生となら一緒に勉強したいなあと思ったので、決めてきました。

アテネ****は、まずは入学金(8500円)を払ったのちに先生を紹介してくれるシステムなので、まずは見送っていました。クラスの補助的使うのではな く、プライベートのみ続けている人もいるとのことで、返答のメールもとても丁寧でした。

8/19(日)
アルフレッド・ベスター 中田耕治訳『虎よ、虎よ!』『分解された男』よりは読みにくくて、ラスト近くになると想像力の奔 流についてゆくのがやっと。うーん……ついてゆけてなかったかも。
笹沢左保『人喰い』。『暗鬼の旅路』(『暗い傾斜』改題)。 ネタバレ的なので以下反転させますが、(疑似も含めた)恋愛状態を使うと目くらましになると いう点をうまく使っているので、そのあたりの心理も読みどころとは思う。
青柳友子『眠れぬ夜の悪魔』。読み始めは、主人公の気持ち そのままに同調していたため、疑惑の目も同じ方向へ向いていたのだけど、読者としては主人公とはだんだん違う視点からも眺めることができるわけで、そうな ると主人公の頑さにイライラしたり。でも、そのイライラする感覚を楽しむ物語なのだと思った。
歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』。おお、こう いう物語だったんだ。すべてがわかったとき、謎が解けたというより、魔法がとけたような気がした。これ、魔法をかけてもらっていたから読み進められたのだ と思う。始めから知っていたら、偏見かもしれないけど、正直魅力的ではない話。頭の中で“きれいに”加工したり、望んでいたりするものなのかなあ。
高野和明『13階段』。問題提起は読んでいる間だけではな かった。甘かった。ラストまでずっと、そして読後も重さが残った。ノンストップで読ませるし、あまりに息苦しくて途中で何度も本を置いた。純一の指紋が手斧から見つかった展開において、それを「形を変えた自首」と自己犠牲的な理由を思いついた 中森、その意見に納得した南郷、そして私もやっぱり納得してしまっていた。このあたりの純一を信じる展開がとても好きだった。南郷の弟が兄 に行う“恩返し”も含めてすべての伏線が回収されるところが読んでいて興奮したんだけど、あわせてとにかく苦い読後感でした。

8/11(土)
最近、本を何冊か読みました。まず、近藤史恵『ホテル・ピーベリー』『シ フォン・リボン・シフォン』。近藤史恵の作品は、いつもチクチクっとします。
それから、積ん読になっていた『本格ミステリ・フラッシュバック』を つらつら読み(眺め)始め、それを参考に、興味のあった本を数冊読みました。
笹沢左保『霧に溶ける』。トリックにもびっくりしたけど、 上昇志向の女の心理の描き方が面白かったし、物語に出てくる小道具がいろいろ昭和で興味深かった。笹沢左保は、以前『悪魔の部屋』を読んだことがありました。むかつく設定や物語展開な んだけど、ラストのシュールさですべてを許してしまった。

青柳友子『完全犯罪の女』。これを読むと、女が描く悪女に 容赦はないなあと感心する。悪女たるもの、美しいだけではなく頭が良くなくてはならないし、そうじゃないと勝者になれない。一部の章タイトルがジャプリゾ の『シンデレラの罠』ぽくて、ラストの処理がカトリーヌ・ アルレーっぽい。すなわち、超私好み。

鮎川哲也『人それを情死と呼ぶ』。品があり情緒もあって、 読んでいて落ち着く。アリバイものはあまり面白いと思ったことがなかったけど、これはとても面白く読んだ。犯人を追いつめた結果、自死する展開はあるけれど、そこで終わってたりするよね。でも、これは追いつめられた犯人 がどうしたかを描いている。ひどいことをして許されるべきではないのに、どこか物悲しさを感じてしまう。なんなのだろう…この余韻は。

3つ読んだどれも、女性の言葉遣いがとても美しく、会話文を読んでいて気分が良かった。年齢より大人なのです。というより、今が子どもっぽいのでしょう。

仏検2級の二次試験発表があり、ありがたいことに受かっていました。でも、自分には全然見合う実力がないのがわかっているので、正直複雑です。準2級が受 かったときのほうがテンション上がってた。「読み書き」と「聞く話す」が乖離している、典型的日本人です。試験後は勉強のモチベーションがかなり下がって おり、今度どう勉強していこうか考えているところ。2級に見合う実力つけたいという気持ちと、なんのために勉強しているのだろうという迷いがあって、気持 ちが定まっていない。

7月の乳がん検査は問題なし。そして、Macの電源は壊れてなかった。復活した。でも、新しい電源買ってしまっていたのでがっくり。

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