宇宙論 
                                谷島瑤一郎(筆者・21歳)


                   序
 私の示す空は、あの、仰ぎみる気層をのみさすのではない。空はひとつの心象宇宙であり、云わば、硬質の精神要素によって構築された、ひかりの宇宙である。
 しかしそれが真夏の蒼空であり、雲の切れ間にひらめく冬の空であることに変わりはない。いったい心象と云え精神と云え、その本質に於いて、それは旋回する一双の翼と、あるいは宇宙船と、異質のものであるとは言えない。
 ある時鉄筋の建築は精神であり、精神は又、そびゆる尖塔である。
                  (後略)



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