教育の社会生物学的考察


理科のワンポイントアドバイス


0.はじめに

 何故、私たちは勉強が嫌いなのでしょうか?どうして怠けてしまうのでしょうか、遊びに惹き付けられてしまうのか、悪事に魅力を感じるのか?難しい問題ですが、時に精神論で解決しようとしたり、飴と鞭を使い分けて何とか勉強させようとしてしまいます。しかし教育学や心理学が発展している現在であっても、万人に対して適した勉強法は発見されていません。
 そのような現状を鑑み本稿の目的は、勉強が好まれない理由を探り、勉強を進んで行う子の特徴を見出し、勉強を促すための方策を、主として社会生物学的視点から考察することです。

1.勉強が好まれない理由

 世の中で「勉強」が忌避される理由は、勉強が子孫繁栄(異性獲得)につながらず、遊んで友人、知人、恋人とのつながり(コネ)を広げた方が、自己および子孫の生存率が高まるためです。例えば、遊び人の方がもてる、がり勉君はもてない・・・と言うことです。つまり勉強をするということは、自然の流れに逆行する行為なので、それをするためには莫大なエネルギーが必要になるのです。そのため勉強をするためには、相応の努力、覚悟が必要とされるわけです。

 ちなみに勉強をしてきた、いわゆる「頭の良い人」がもてる時は、危機的状態、有事、環境の変化が起きた時です。その困難を乗り越えるために知恵が求められるならば、知恵持った(勉強してきた)人が生き残り、子孫繁栄の機会に恵まれます。ただしその困難を乗り越えるのに必要なものが単なる腕力、体力である場合には、知恵で腕力(機械)、体力(医術)を作り出さない限り、生き残り、子孫を残すことはできないでしょう。

 必要なものは学問ではなく、生き残るための知恵(コネ作り、落とす戦略、かけひき、etc.)であり、この知恵を勉強に結びつける、つまり実践的な勉強、応用から根本原理、仕組みの解明、すなわち勉強に持ち込む方法が、求められると言えます。「具体から抽象へ」です。

 一方、醜男は、かっこ悪いから(直接)嫌われるのではなく、将来的に配偶者として選択される確率が低いと思われるので(間接的に)嫌われるのです。ここで重要なことは、生き残るためには積極的(能動的)よりも「選ばれる」こと、受身(受動的)な行動が大切な点です。つまり選ばれるような技術、戦略、損失の最小化を目指すことです。人間は、「経済人」のように合理的で利益の最大化を求めるわけではないのです。そのため金持ちは一握りしかいないのです。進化は受身であり、強い者が生き残る、のではなく、生き残った者が強い!のです。


2.勉強ができる子の特徴

 勉強ができる子にはどんな特徴があるのでしょうか?基本的なことであり、多くの人が見過ごしている点ですが、勉強できる子とは、勉強をした子です。では、どのような子が勉強するのでしょうか?それは夢、何らかの目標がある子であり、その目標に対して諦めていない子です。

3.勉強を促すための方策

 以上のことから、勉強ができる子を育てる、子供に勉強させるためには、何らかの夢、目標を持たせることです。そしてその夢が実現できるように、諦めなくて済むような環境を親や先生など周りの大人たちが整えてあげることです。そのためには、子供の視野を広げるために、生活を制限するのではなく、何でもよいので視野を広げる、色々なところに連れて行く、観察する、参加させる、見聞を広げ、自分のやりたいこと、夢を見つける手助けをする必要があります。

 ちなみに、多くの成功?した大人の話を聞いてみると、小さい頃に受けた何らかの印象が、その夢の実現に向けたきっかけや原動力になっていることが多いようです。

4.勉強が「できない」子の概念?

日本人は、そもそも「下から」考えることに慣れていない。つまり「お上」に従うことを続けてきた?故に、学校や先生など「上から」教えられることに従う!のが当たり前だと感じる人が未だ多い。これらの人たちは、自分で考えることに消極的な旧来型の社会主義的固有人と考えられ、「上から」の「こうしろ!」的教育が合うかもしれない。一方で個人主義的ハイブリッド人は「上から」に反発しやすく、積極的に何かを考え行動する傾向がある。これらを見分けて指導して行くことが、大人においても重要かもしれません。やる気のない子供や発達障害の話も、この点に関連して考えていけば、納得できる点が少なくありません。


 以下順次更新いたします。



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2008年1月20日started
2024年5月7日update