何てことだ!!よもや土砂崩れとは・・・・・・
俺達は、我と我が目を疑った。
コンニャクは、今年のコンニャクはもうだめなのか・・・

話を元に戻そう。
そう、それは、2年前・・・・・・1900年代最後の紅葉が山肌に燃えあがる奥秩父でのできごとであった。
「イノシシ咆疾風録」参照
そう!”秩父のコンニャク”ッ!これは、我々2人に与えられた、新しい哲学的命題に他ならない。
「秩父のコンニャクはうまいぜ!筆舌に尽くし難いほど」
「なんだそれ?説明できないってことじゃん」
そう、これは有史以来の大問題。初めて小アジアに遠征したエジプト軍の帰還兵たちは、故郷の人々に「下流から上流に向って流れる川」「天から落ちてくる川」を説明することを、最終的に放棄してしまった、という。
所詮、人間は己の経験を超える概念を理解し得ないということか?
ならば、喰わせるしかない。
否!いっしょに喰うしかない。
そして、秩父行きは決定した。
要するに、俺が喰いたいだけなんだけどね。

ブルースの車で行くことになった。
集合は東武東上線上福岡駅。すでに埼玉だ。
道路が込む前に出発。そのために午前9時半に集合。・・・・・・が、
アノ男が来ない。
ふなっ、その人である。
肉弾頭、すの字、ゴル男までも来ていると言うのに、一人だけが来ない。
例のごとく、完徹ゲーム明けのブルースは虫の居所が悪い。
「いいよ、行っちまおうぜ。連絡があったら言やあいいんだ。そのまま電車に乗って少しでも秩父に近づいておけって!」
ま、結局ふなっが来てから出発したんですが。
次からは時間守ろうね、ふなっ。

紅葉のシーズン。紅葉狩りは3次的4次的な目的の俺らも、標高が上がるにつれ鮮やかに燃え立つ山肌に心浮かれずにはいられない。
しかし、それに混じって無粋な緑色。
「ケッ!せっかくの風流が大無しだぜ」
毎春に杉花粉に悩まされるブルースは、杉植林には激しい敵愾心を燃やす。
確かに、生物層の単元化はその環境の弱体化を招くらしい。
生き残れ!雑木林。

そして、いよいよ山道に分け入る我々食べまくり5の前に立ちはだかるのは・・・・・・

5キロ先より、土砂崩れのため通行止めの看板

NOーーーーーーーーー!!
しかし、流石は俺達食べまくり5。「諦めて戻ろう」などと言う頭の悪い発言はでない。
とりあえず、行ってみる。そして、ダメならその場で腹を切ればイイ。
会津若松で、城から火の手が上がったのを見て、焦って自害してしまった白虎隊の諸君に一言、言わせてもらおう。
とりあえず、城に戻ってその目で敗北を確認してから腹を切れ。
いや、むしろ、敗北が決ってからでも官軍と戦って討ち死にしろ。
と言うか、負けるにしても、どうせなら勝つ気で戦って死ね。

俺達は、土砂崩れで通行止めになったその前で営業するシシ汁と田楽の屋台の姿を妄想しながら先に進んだ。
途中、頻繁にすれ違う対向車の存在が妄想に拍車をかけた。
「通行止めだってのに、こいつら、どこから湧いて出るんだ?」
「土砂崩れ前の屋台にたむろしてる連中が、丁度帰る所なのさ」

しかし、やはり屋台は無く、味気なく通行止められていただけであった。
サラバ、コンニャク。サラバ、我が青春の日々よ・・・・・・
だが、俺達は生き続けなければならない。だって、午後六時からいのしし亭予約してるんだもの。

続く

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