’99 自転車で海まで!!−4


今まで走った距離110km 時速13.5km/h
日没まで間に合うか?友人より先に着くことが出来るのか・・?

突然の雨は長くは続かなかった。

「西の空は明るいから、もう雨は大丈夫だろう。」
旅でのリスクは、気象条件の悪化、他人からのもらわれ事故、自分自身の体力や精神力、
そして、これら全ての出来事にうまく対処できるかどうかの判断力だ。
リスクが大きすぎると生命力の危機になるわけで、絶対安全なんて言葉はない。
グループならともかく一人だとなおさらリスクが大きなる。
しかし、リスクを乗り越え目標を達成した喜びはうまく表現できないくらいうれしいものだ。
そんな充実感を求めて走ってきたのかもしれない・・。

さすが登山ウェア。速乾性が良いからもう乾いている。
 (アウターのショートパンツは濡れてるけど・・。)
これもリスクを小さくするための一つ。
濡れたままだと体力落ちるし風邪引くかもしれないもんね。
荷物も大丈夫のようだ。

松山町から平田町、八幡町まで来る。「車だとすぐなのに・・。」
庄内平野に入ってからは大きなアップダウンもないが、景色が単調で進んだ気がしない。
太陽がかなり西に傾いてきた。スピードは相変わらず上がらないが、とにかく前へ前へ!
やっと遊佐町に入る。最終チェックポイントだったスーパー前に到着。時間は6時ちょっと前だ。
妻から「着いても着かなくても6時に電話するように!」っと言われていたので、
とりあえず連絡入れると山形市は大雨の模様。前出の友人は来るのだろうか?

あと10km、自分に「もうすぐだ!」言い聞かせひたすら走る。
最後の小高い丘陵地の前で休憩。
夕日はこの丘陵の先にあり、日没までには間に合いそうにない。
「そういえば写真撮って無かったなぁ。」鳥海山をバックに撮ろうと思ったのに、
雲がはびこっていて見えないが「パチリ」っと1枚だけ撮って、最後の登り道に備え得る。

最後の坂道が一番きつく、今回の旅ではじめて前ギアを1段まで落とした。
「この坂の向こうに!この坂の向こうに!」
思ったよりも長いこの坂は最後の砦だ。「落としてやる〜」
坂の頂に到着すると自然に笑みがこぼれてきた。
すかさずギアを重くして一気に駆け下りる。こらえきれず笑ってしまった。
横を通っていく車がこっちを見て行くがそんなのお構いなしだ!
辺りは暗くなりかけているが心の中は明るかった。
7号線にぶつかり、すぐコンビニで食材を買い、
もう十何年も見てきた西浜海水浴場の看板を左には行っていく。
海が見え、砂浜になり走りにくい道も最後まで足でこぐつもりでペダルを回す。
「やった−!」
到着時間6時53分 140km完走!

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