築40年 木造戸建住宅のフルリノベーション
キッチンを中心とした間取り変更と断熱の強化
Before もともと玄関だった部分
改築にあたり必要のない部分は減築、撤去しました。これによりリビングに窓ができました。(丸窓のあたりが掃き出しの窓になりました)ウッドデッキと庭とも連続させて採光・通風もよくなっています。
ウッドデッキと目隠のフェンス
右側に新しくできた玄関へのアプローチ
玄関と庭、ウッドデッキがつながり楽しい
玄関前には木の柱と梁のフレームにガラスを載せたアプローチを新しく作りました。黒い玄関ドアは既存のドアを利用しています。玄関の外壁は杉板に白い防腐塗料の仕上げです。
新しく作ったアプローチ 屋根にはガラスを設置
玄関と廊下 階段は昔のままです
廊下の上の部分はスノコにして光を落とす
新しくできた玄関には昔の下足入れをそのまま利用。2階へあがる階段も昔のままです。階段の下部は扉をつけて納戸としました。
廊下の右側は浴室、洗面などの水廻りがあります。廊下はいわゆる中廊下で家の真ん中になりますので、2階のスノコ状の床の隙間から光を落とすようにしました。
こんなにたくさんの人が訪れることも!!
キッチンからダイニング・リビングを見る※
1階の中心に位置するキッチン、ダイニング、リビング、そして小上がりになっているタタミのスペースです。この家のメインの空間です。
ここは改装前は意外と暗かった場所です。(下写真)減築したおかげで風通しも抜群になりました。また、天井と2階床を撤去して吹抜けとしましたので、日当りの良い2階南東角からの光が落ちるようになりました。春、桜の昨季節にはハラハラと花びらが落ちてくるというシーンもあったそうです。
天井を撤去した部分の骨組みは色形をそのままに残しています。左側、南側の庇を支える垂木がここちよいリズムで連続する姿がキレイだなと思いました。家の履歴、歴史が残る部分ですね。
キッチンはアイランドタイプのデザイン。この家の生活の中心となる部分です。ご主人こだわりのスウェーデン製オーブン付ガスレンジを組込み、ワークトップは手板金のステンレスの仕上げ。もちろんオリジナルでデザインしました。
床はカバの無垢フローリングです。
Before 改築前の同じ場所 応接間的なリビングルーム
白いASKOのオーブン付ガスレンジを組込み
キッチンの背面には一面に収納を用意 上部の乳白色のパネルの向こうが階段です
ステンレスのシンク 立上がりは一体で成形
みんなで手伝いできます
リビングとタタミのスペース ※
タタミのスペース周囲の扉の木口の引手兼用のアルミFB
木口に取付けて反りを押さえる役割もあります。
タタミのスペースからキッチンを見る
リビングからダイニングとキッチンを見る
2階吹抜けからダイニングとキッチンをみる ※
都内とは思えない、広いお庭があります。山桜にモミジなど、手入れされた木々があります。この敷地でリノベーションを選択された理由の一つは、この環境を守ろうということでした。私も訪れるたびにいいなあ、と思う環境です。
この写真(左)は、2階の床をぶち抜いた吹抜け。南東角の一番日当りの良いスペースです。一見無駄にも見えますが、庭の木も大きく育っているので1階は暗くなりがち、この吹抜けがあることで1階が明るく風通しのいい空間になりました。
計画案を何度か作り直して行くうちに、この部分を吹抜けにしようか、とお客さんと相談しました。そのときにはじめて、双方で「行けそうだ!」との実感を持ったのを覚えています。
吹抜けの周囲をめぐるキャットウォーク
Before 改築前の寝室
吹抜けの周囲には人がぐるりと廻れるキャットウォークを付けました。スノコになっています。
ブリッジと、奥に書斎
階段を上がった見返し
吹抜けに面した書斎
吹抜けとキャットウオーク
吹抜けとキャットウオーク、手前に電子ピアノ※
いつものように手すりにはネット。これはお客様にやってもらいました。
吹抜けに隣接する書斎コーナー
子ども室となる部分から吹抜けの方向をみたところ。
残した柱が林のようです。柱は痛んでいたところは入れ換えています
吹抜けとキャットウォーク
吹抜けの天井には、シーリングファンを取付け空気を循環させます
こども室とロフトに上がるハシゴ
新しく作った寝床となるロフト
天井は撤去して小屋裏の骨組みを出して屋根勾配なりの天井に変更しました。新しく生まれた空間を使って新しくロフトを設置。子どもたちはここが寝床となります。
今はお子さんたちも随分と大きく成長されまして、また違う家具配置で過ごしているようです。たまに伺うたびにレイアウトが変わっていて感心します。よくもあしくも自由度が高い(笑 )
床はコストダウンでラワンの合板。荒く使っても大丈夫で、アトリエみたいな感じかもしれません。お引越前にオスモのウッドワックスをお客様に塗装してもらいました。
翼竜が飛ぶ!
ロフトからの眺め
ロフト
ロフト奥は風通しのためスノコに
ロフトから吹抜けを見る
ロフトから吹抜けを見る
個室になる書斎
吹抜けに面する書斎から見る
吹抜けの廻りには大人用の書斎スペースも作っています。
洗面台
浴室
1階から天井の見上げ
大きなハチの中に水草と金魚がいました
建物概要:
東玉川の家
HT-Renovation
木造2階建て
改修面積:136.48m2
設計 大庭建築設計事務所 /大庭 明典
リノベーション、吹抜
外壁:ジョリパット(改修部分 )
屋根:ガルバリウム鋼板(改修・増築部分 )
床:カバフローリング、ラワン合板
壁:シナ合板
天井:PB+クロス、シナ合板
撮影:大庭明典、PLUS ONE(一部提供※)