小さな敷地に豊かに暮らす!
空に伸びろ!12坪の敷地にたつ3階建て
隅切りした角地の部分に昔からあった梅の木を移設。この木が眺められるように大きな窓を作りました。その下には換気用の細長い窓。
敷地ギリギリですので、玄関ドアはクローザー付の引戸。車と同じワインレッドに塗装。
2.5mオーバーハングした2階部分
その下に駐車スペースを確保
玄関からずずっと同じ黒いタイルの床仕上げです。土足の仕様ではありませんがフラットです。普段はマットを置いて靴脱ぎにされています。フラットでタイルの仕上げにしたのは、将来もしかするとお客様をいれるようなスペースにするかもしれないという理由もありました。
玄関正面の奥の壁には収納兼飾り棚。下足も入る奥行きでつくり半分壁に埋込んでいます。
玄関ドアを開けたところ
左手に下足入れと洋服掛け
収納兼飾り棚
キレイに花が生けられています
玄関を入ってドアを見たところ
ドアにはスリット状のガラスを嵌め込み
3段下がった所が書斎
玄関ドアにスリット状(細長い切れ目のような)のガラスを嵌め込んだのは、飼っている猫ちゃんが帰ってきた際に飛び出さないように確認できるようにしたいとのご希望からでした。明かりとりであればくもりガラスでいいのですが、その理由で透明のガラスです。
階段を3段下りた部分にご夫妻の書斎。最上階(=3階)の高さを確保したいということと、段差により別の空間にいくという意図もあります。
書斎机の上には、大きな窓の下の換気用の細長い窓が見えています。チェーンで開閉します。
書斎 右上には大きな窓と吹抜け、換気用窓
書斎は少しワイルドに。倉庫のように鉄骨をそのまま見せてペイント、天井も2階床のコンクリートを打設する型枠を兼ねたデッキプレートという鉄を曲げた板そのままに白いペンキを塗った仕上げです。
他の居住部分と少し変化をつけ、男性的な?硬質な雰囲気を出しています。鉄にペイント、タイルの黒、カウンターのワインレッド、木製の家具は木目を残したブラウンです。
床には床暖房を設置しました。タイルは暖まるまでは少し時間が必要ですが、一度あたたまってくれると熱持ちがいいので快適です。
夏場は直射日光の射さない部分ですので、温度も上がらず快適に。猫ちゃんが寝ていることで季節ごとの家の快適な部分がよくわかります。
書斎から玄関を見る
本棚の裏が玄関の洋服掛けのスペース
本棚の裏に納戸
まわり込んで階段
大きな窓に吹抜け そこに階段がかかります
窓からの光が広がっています
黒い床タイル 左奥にトイレ
階段の下部には引出しの収納を
カウンターもワインレッドの塗装
玄関と書斎
トイレ 陶器製の洗面ボウル
リビングからダイニング・キッチンを見る
1階とは変わって、壁と天井はウッドチップを漉き込んだ紙の壁紙に白いペイントです。鉄骨等の部材もあらわさずにシンプルに白い空間です。
床はオーク(ナラ)無垢フローリングです。大きな窓はこのフロアの正面ですが、少し3階にもかかっています。バーチカルのブラインドで視線や日差しをコントロールします。
ソファの上は道路斜線で斜めに削られる部分になりますので、3階の床を作ることはやめ、2階の天井高さを広々とする方向に加えました。
階段は鉄骨製で蹴込みの板のない、風や光の通るタイプです。
洗濯機と乾燥機もこのフロアの収納内に納めています。トイレはこの階には設置せず、1階と3階に設けました。
光と風の透階段 そして猫ちゃん
光と風も抜ける階段。同時に圧迫感と存在感も抑えられますね。猫ちゃんも様子を伺う(?)。
左は梅の木の前の大きな窓。こちらはFIX窓(はめ殺し窓)なので階段の右手には換気用に縦長の窓をつけています。FIX窓だらけの家では息苦しくてかないません。
リビングから 頭上は天井高く
リビング、キッチンとダイニングテーブル
キッチン
キッチン 上半分は3階へとつながります
奥のシンク側スペース
窓の正面にはオープンな食器棚 シンクの上は水切りにもなっています
ガラスに付けられたキャットドアー
サービスバルコニー
キッチンの後ろには、サービスバルコニーがあります。ウッドデッキを設置してあり、ゴミ箱や猫トイレなどを置いてあります。
家に人がいないとき、猫ちゃんがトイレに出入りできるように、サービスバルコニーに面するガラスのドアにはキャットドアーを設置しました。
こういうサービスのスペースは住宅の中では意外に重宝します。もちろんスペースのバランス上、設置できればということですが。
2階から3階へ上がる階段
2階から3階へ上がる階段
階段を上がるとベッドルームと水廻り。高い天井と壁のような天井のような斜めの壁面で囲まれています。ベッドの周囲はクローゼットでたくさんの洋服収納になっています。収納の上にもスペースがあり、そこはオマケのロフトとしました。趣味でつかう場所とするそうです。ロフトの部分には開閉式の窓を作りました。こちらが南を向いていますので、こちらからの光をロフトの床、斜めの壁(屋根)と光を反射しながら2階をあかるくしてくれます。
斜めの壁のある方向には腰高の収納があります。実はここも洋服の収納になっています。スペースを節約するため壁はあく、この家具で仕切るようにして10cmほどの余分にスペースを捻出。
クローゼットで囲まれたベッドはしっくりと落ち着いた感じがあります。
奥にはバルコニーがあります
窓が大きく明るい洗面スペース
2階の斜め天井と仕切る収納
ガラス間仕切りのトイレと浴室
浴室とトイレ
TVボード ソファと猫ちゃん バルコニーと目隠し
建物概要:
三軒茶屋の家
SD-House
鉄骨造3階
敷地面積:42.84 m2
延床面積:67.88 m2
設計 大庭建築設計事務所 /大庭 明典
構造 安藤建築事務所 /安藤 美樹
外壁:ガルバリウム鋼板
屋根:ガルバリウム鋼板
床:タイル、無垢ナラフローリング
壁:ルナファーザー(紙クロス)
天井:木毛セメント板、シナ合板
撮影:大庭明典、小出薫(小出写真事務所)