変形旗竿地に建つ半地下スキップフロアの家

用賀の家　　YG-House

　不思議な奥行感　どこにでもすわれる親しみのある空間

　私鉄の駅からほど近いマンションの多く建つ地域の開発地。もともとは木造のアパートが2軒建っていたところに私道が作られ、5つの土地が分譲されたとこです。建主さんはその一番奥の土地をご購入。一見奥まって不便なように見えるますが、実は周辺の5〜6階建てのマンションの空地に面し、採光や通風が確保できるという、一般には違いますが、実は条件のいい土地なのです。前の道を通り過ぎる人や車も少ないので子どもにとっても安心できます。

　旗竿地の細長い部分は駐車スペースと玄関へのアプローチとしました。変形している土地のために設計と施工は困難を伴いましたが、それゆえの面白さ、奥行感がでたように思います。

photo:アプローチ

駐車スペースと玄関へのアプローチ

photo:玄関

玄関内部床は石貼　収納も充実させています

photo:階段1

　　　　　　　　　　　　　手作りの郵便受　

photo:アプローチ

タイル貼の浴室　床は天然石

photo:玄関半地下部分の書斎　本棚はダブル

photo:階段1

左は半地下の部屋へ　　　　　　2階への階段　

　1階は玄関や洗面・トイレ・浴室などの水廻りや収納とし、半地下の部分は書斎や寝室としています。浴室はユニットバスではなく、いわゆる在来の浴室。一部削られるようなところも有効に使えました。壁面はシンプルなタイル、床は天然石を使っています。採光と換気用の窓は比較的大きめに。浴室用のブラインドと組み合わせています。半地下と言っても半分以上の壁は地上ですので窓も作れます。この半地下のスペース、周囲の建物が近い時ので直射日光は期待できませんが、落ち着いた光の差込むスペースとなっていいものです。

photo:アプローチ

階段を上がるとダイニング　キッチン廻りはカウンターとマガジンラック仕様

photo:階段1

　　　　　　キッチンの廻りはぐるりと回遊できる動線　

photo:アプローチ

食卓の置かれるスペースから　正面の壁が斜め

2階は家族がいる中心となるところ。スキップした一続きの空間の中にダイニング・キッチン・リビングがあります。

　キッチンの廻りはぐるりと廻れる回遊式の動線、キッチンの背面収納のカウンターは一部リビングルームにも伸びて掘りコタツ式の多目的カウンターとなっています。今はお子さんが電子ピアノなどを置いて使っているそうです。

　リビングルームは一部が吹抜けとなって、窓を多くとった明るい空間です。リビングに接してタタミを敷いた小さな部屋を設けました。予備室として、またリビングのつながるスペースとしても使い勝手がいいものです。ゆったりした質のいいソファも良いですが、ごろごろできるタタミも捨てがたいものです。洗濯物を畳んだりするのにも便利。

　吹抜けにはルーフバルコニーへ向かうブリッジもあります。採光を妨げないようにスノコ状の床にしています。

photo:アプローチ

キッチンは既製品+大工さん

photo:玄関キッチン背面の収納　カウンターは連続

photo:階段1

階段の向こう、リビングへ伸びる　掘りゴタツ式

photo:アプローチ

リビングから見ると　キッチンとはこんなつながり方をしてます　奥にもバルコニー

photo:階段1

　　　　　　リビングと吹抜け　奥にタタミの部屋　

photo:アプローチ

3階へ上がる階段

photo:玄関階段、ブリッジ、吹抜

photo:階段1

リビング奥のタタミスペース　下にも収納　

photo:アプローチ

ブリッジ　左上に物干用のパイプ

photo:階段1

3階子ども用のスペース　中央に天窓　

　3階は子どもたちのスペース。ギリギリですが２つに仕切ることも想定しています。現状は下の階のリビングとオープンにつながっています。下でテレビを見る方が、とうるさくないか、と気なってしまうようですが、こういう空間で育つ子どもたちの方は意外と大丈夫なことも多いです。しばらくして、ステージが変わった時に間仕切り等またご相談しましょう、とお話しています。

　3階にはルーフバルコニーへ向かうブリッジがあります。このブリッジを室内干しのスペースとしました。日当りもよくて良く乾きます。ご家族が花粉症で、春先に洗濯物が外に干せないために考えましたが、梅雨時等にも大活躍のようです。

photo:アプローチ